匿名の投稿記事です!少し長いのですが、この間のいきさつが丁寧に述べられています。島元先生の勇気ある新聞への寄稿の後、このブログでも『琉球舞踊保存会」の問題が沸騰しました。その流れは今に続いていますね。
なぜか、まだまだこの記事のアクセスがトップになったりしていますので、2018年1月30日から3月14日にUPします。要望のあった島元さんの「落ち穂」エッセイを全部UPします。ただ順序はランダムです。申し訳ないのですが、PDFでUPできませんので、スキャンして取り込んでいます。
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(2018年3月14日の統計です!)
誰が、島元要さんを潰したか
匿名御免
県教育庁で、去年末12月に、動きがあったようです。
国指定重要無形文化財琉球舞踊時期保持者指定問題。
この件で、県教育庁文化財課の指導主事島元要さん(現在休職中)が、去る12月25日に、県教育長に直訴したようです。県教育庁まで出向いて上司や現在の担当者立ち会いの下でという話です。
島元さん。正直、無茶をするなと思いました。
巷間、職場で追いつめられて鬱を発症したと言われている島元さんです。実質的には、アウェイ(敵地)で上司との直接対決と言っていいと思います。
この選考問題については、これまで何度もこのブログでも取り上げられ、去年の7月に次期保持者が決定した後も、このブログで終息せず何度も問題が浮上しています。
個人的には、いまだに本ブログの人気(?というより注目)記事のトップ10内にある(2,3日前は1位!)下記の記事に、いまだに投稿が続いているコメントを読むたびに胸が痛んでいました。
http://blog.goo.ne.jp/nasaki78/e/93b1533f9694997d25f74dd4308298c7
私の知っている情報を伝えます。
去年の12月に私の知っている先生(芸能をする先生ではありません)のところに、島元さんから連絡があり、「琉球舞踊の保持者選考のことで、上司立ち会いのもと、直接教育長に説明出来ることになりました。恐れ入りますが先生にこの席に立ち会っていただけないでしょうか。その席で先生のご意見を賜りたいということではありません。庁内関係者だけではなく、客観的な視点を持った第3者にいて頂くことが必要なのです。一緒にお話をお聞き願えるだけでも助かります」という依頼があったそうです。
目的を聞くと「自分(島元さん)が、舞踊の問題についてキチンと裏付けを取った上で説明し懸念される課題についてこれまでの取り組みを踏まえて後任や上司に伝えてきたことに対して、庁内で‘’臆測に基づいて公務員にあるまじき不適切な言動を行う要注意人物‘’とされ、提供した情報や助言や提言が無視または軽視されている現状に訂正と改善を求め、改めて今この問題について何が必要か教育長に申しあげたい。あらたな誤解や事実誤認が起きないように上司と同僚にも立ち会ってもらいます」いう内容。
「具体的な内容については、問題の性質上、現場でしか先生に情報提供出来ませんが、ご出席をご検討願います」とも。
島元さんが鬱を発症して休職中であることは、関係者にはかなり知られていることなので、先生が島元さんに、教育長面談に耐える体調なのか?本庁まで行けるのか?問いただすと、せっかく直接教育長にお話しできる機会をつかんだので、主治医に強い薬を処方してもらってでも、行きますとのこと。そこまで覚悟しての依頼。無碍に断っていいものか。先生は迷っておられました。
私は、是非出席されて島元さんの力になって下さい。と先生に返信しました。
後日、先生にお会いしたら、迷った末、結局断ったとのこと。島元さんに、あなたもこの問題に関わるのはもう止めた方がいい。今後のことに響き、よいことは何もない。治療に専念した方がいいですよと忠告したが「ご助言有り難うございます」とだけ。聞くとこの時点で、何人もの元上司や有識者に声を掛けて全部断られていたそうです。おそらく誰にでも声をかけた訳では無く、島元さんが信頼できると考える人だけに声を掛けたに違いない。それで、この結果か。胃から苦いものがこみ上げてきた。
こんな依頼。誰も引き受ける人はいないだろう。彼は組織というものを、分かっていない。と先生。
そんなことはないと思います。島元さんは、分かっていて、ご自分に出来る最善を尽くそうとされているのだと思います。とは、先生には言えませんでした。多分先生には理解出来ない気がして。
結局、25日の面談はどうなったのか?教育庁の知人に聞いてみましたが、誰も知らないという返事でした。口ぶりから箝口令がしかれている気がしないでもないです。
その二日後、27日、28日に、沖縄タイムス、琉球新報に、大々的に琉球舞踊の新保持者の式典と祝宴の様子や有識者(?)からの祝辞が載っていました。賑々しく。祝賀会では県教育長からの祝辞もあったようです。タイムスも新報もある時期まではこの問題を追及していたのに、まるで何もなかったようです。
愕然としました。
島元さんを潰したのは、追いつめたのは誰か?
琉球舞踊保存会?そのバックについてる県?国?有識者?マスコミ?
いやいや。何も出来ないでいる私。この記事を読んでいるだけのあなたも。ではないのか?
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以下は、添付した資料についてです。
2年前、琉球新報の随想欄「落ち穂」に、2016年1月~6月に、島元さんが12回に渡って連載しておられたエッセイです。≪12回のエッセイをUPしょうと思ったのですが、投稿の中身に関する6回分を添付しています。もし他6回のエッセイを読みたいという要望がありましたら、全部UPしますね!≫
この中の「無形文化財を守る」(2016年3月30日)、「保持者のバトン」(同4月13日)、「琉球舞踊の羅針盤」(同4月26日)の3回を読むと、今回の琉球舞踊保持者選考について、島元さんが何を問題にしておられたか。何が今回の保持者選考問題の核心なのか理解できます。
無形文化財とは何か?それを守るとはどういうことか?保持者とは何か?そして琉球舞踊のあるべき未来とは何か?限られた紙幅の中で丁寧に説明しておられます。
注目したいのは、よく言われる「舞踊界の闇」「不正疑惑」等々の暗黒面については触れず、ひたすら伝統芸能の世界、とりわけ琉球舞踊界を称え、イメージアップをはかっている内容であること。今あらためて読み返し、その頃から水面下で様々な葛藤があったであろうことを思うと、別の意味が見えてきます。
琉球舞踊やその関係者に対して、手放しの賛辞や提灯記事ではなく、「先生方。こうあるべきですよね」と突きつけている凄み。「保持者は、沖縄の芸能の未来を照らす光である」と書いたこの半年後に、この同じ方々(保持者)に新聞への寄稿文(http://blog.goo.ne.jp/nasaki78/e/d37d468839d41e0054f9616717b25e37)で、「保持者として不見識ではないか」という激烈な批判を突きつける苦渋を感じます。身を挺して守ってきたものと対峙することになる苦しみは、想像を絶します。
それでも島元さんにはブレがありません。
彼が守ろうとしているのは、無形文化財を守る責任を放棄した保持者ではなく、無形文化財そのもの。あくまで、ご自分の責任を果たそうとしておられる。胸を打たれます。
資料は、連載の今回の問題と直接関わる部分だけではなく、掲載された全容をお送りします。島元さんが庁内でご自分の名誉回復を果たされたか分かりませんが、文化財保護にだけ縛り付けるには惜しい人材であることが分かります。
連載時の肩書きは「県教育庁文化財課指導主事」ではなく、もうひとつの顔「県高校演劇連盟理事長」。
現代演劇。特に、マイナーな高校演劇の世界を世間に知らしめたい。という思いで始めたらしい連載。島元さんに触れた人は、彼の優しさ、正義感の強さを言いますが、元々の高校教師としての生徒に対する温かい眼差しが感じられます。弱い立場の人たちの側に立つという現在の姿勢は一貫していますね。
人柄だけでは無く、一編一編が、確かな批評眼に裏打ちされていて読み応えがあります。
島元さん自身がクリエイター(劇作家としては、本ブログでも取り上げられた高校演劇の名作「出停記念日」は2001年の初演以来今も全国各地で上演され続けています。映像作家としては、20年以上前に自主映画のコンペで、錚々たるプロの映画監督の出品作をおさえて1位の最高賞を取っています)だからでしょうか。批評眼だけではなく、芸術家としての視点が感じられます。
私が最も好きな一編は「宿の女は悲しいか」(同5月10日)。秀逸な組踊「執心鐘入」論です。現代演劇の演出家が、伝統演劇の組踊を見ると、こう見えるのか!というインパクトがあります。こんな「執心鐘入」論は読んだことがない!組踊ファンは一読を進めます。
組踊には、特に思い入れがあるのか、島元さんが現在衰退の危機にある士族系の組踊の復興にも水面下で動いているという噂がありました。お人柄でしょう。ご自分の業績を語らない。ご自分で企画して主導しておられた「5年間で県内全離島の児童生徒全員に組踊の鑑賞機会を(当初は沖縄全域のという企画だったけど通らなかったそうです)」というプロジェクトについても「担当として関われたのは幸せだった」(「本物はどこにある」同6月17日)と控えめな書き方。
しかし芸能担当者としての豪腕ぶりは、知る人ぞ知るです。2010年に組踊が無形遺産に登録された際の県教委による記念事業は実質彼一人で企画運営しておられます。魅力的な組踊の上演プログラム。(伝統組踊、新作組踊、地域の組踊)やシンポジウム(組踊の可能性)。初心者から愛好家まで惹きつける組踊の普及書の発刊。
個人的な思い出は、伝統組踊「執心鐘入」とそのパロディ版新作組踊「さかさま執心鐘入」の同時上演という画期的なプログラムを見に行ったら、無料公演と言うこともあって大勢詰めかけ私は観覧できなかったのですが、その際入場できなかった人たちにも、豪華な組踊の普及書が配られるという心遣いがあって感激しました。私は担当者と話がしたくて、後日そのお礼を課に伺って島元さんと知己を得ました。
普及書の内容はと言うと、様々な角度から組踊の魅力に迫ったもので、執筆陣に、若手実演家や日頃陽の当たらない道具や衣装についても頁がさかれていて瞠目しました。愛好家にも貴重な資料が満載。組踊の案内書として一級の仕上がりで、作家の大城立裕先生をして、本土の一流文芸誌の編集者とも遜色ないと賛辞を送られたのも、うなずける宝物のような本で今でも大事にしています。
島元さんと知己を得た際に、あの本は企画時に予算から削られたので、公演のパンフの予算で作ったという話を聞いて驚きました。予算がないので、プロの編集者を一人だけ頼んで、工程の大半を一人でやってしまったらしい。
公演にも思い出はあります。この事業の地域の組踊公演「伊江島の忠臣蔵」のキャッチコピーは「日本最南端の忠臣蔵」でした。「雪の降らない沖縄での忠臣蔵」とも。このコピーを見て、東京で芸能を研究している私の知り合いの学生さんが見に来ました。島元さんに紹介したら後日、伊江島での練習風景の映像を見せて下さったと感激していました、その映像の中にも島元さんの姿がありました。この人はいったいいくつ体があるのだろう?
芸能を語る人の中にはただ情熱を語るだけの人もいますが、企画力、実行力から行って、これだけの事業を推進できる人材が、県の現在の文化行政の中に、他にいるでしょうか?この人に潤沢な予算を確保して存分に仕事をしてもらえばいいのになとずっと思っていました。
組踊生誕300年を間近にして、県教委や県はどういう取り組みをするのでしょう?島元さんの不在は、沖縄の文化における大きな損失だと思います。
人柄や有能さだけではなく、演劇や映画そして伝統芸能だけではなく、文学、音楽といった多岐にわたる芸術一般に造形が深い、沖縄の財産ともいうべきこの人物を潰して排除したツケは必ず来ると思います。
最後に、参考までに、本ブログの関連記事のリンクを貼り付けておきます。
♢この問題の本質については
NEW#琉球舞踊界の不都合な真実!伝統を守らない強者が、伝統を守る弱者を殺していく!
♢問題の顕在化の発端となった島元さんの寄稿文それ以降のマスコミ記事については下記の二つ。
資料:琉球舞踊保持者選考問題 新聞報道の軌跡(あきらめない姫より)→気になるコメントが投稿 されました!(2017年06月29日 07時22分27秒 )
http://blog.goo.ne.jp/ nasaki78/e/ d37d468839d41e0054f9616717b25e 37
新聞資料:平成28年度琉球舞踊保存会「伝承者養成事業」 成果発表会by あきらめない姫
♢補助金不正流用疑惑については
「琉球舞踊保存会」の舞踊実技審査は、補助金の不正流用ではないか?←送られてきたコメント・メールです!
♢問題が明るみに出て以降の島元さんの動向については
『「てんぶす」で「いっとーばい」を観劇した際思いがけず島元先生にお会いした。舞台は盛況、新たな歴史への開示と問題提起!』
http://blog.goo.ne.jp/nasaki78/e/bb4285c3e4b793bd95c433dc353ce854
質問をすると、ものすごく丁寧で長いメールが届くので有頂天になっていたのですが、他の人にもそうだったのですね。それが去年から、メールも携帯電話も返信がなくなって、島元さんの身に何か異変が起こったことだけはわかりました。今はただ復調されることを祈るだけです。
「心と技 継承に期待」という見出しで、琉球新報2017年12月28日記事にありますね。写真見て驚いたのは、ライバル紙の新報の社長と沖縄タイムスの社長が両サイドに笑顔で立ってる姿。
なるほど合同祝賀会なのね。
隔世の感です。
平成21年に、琉球舞踊が国指定になった時、沖縄の芸能界を二分する新報系、タイムス系の保持者が一堂に会しての合同祝賀会なんて無理って、みんなが言っていたのを、島元さんが奔走して実現にこぎつけた。
戦後の沖縄芸能始まって以来の快挙ってうちに先生は言ってた。
その下地があって、実現したのが、この「合同祝賀会」。
その功労者の島元さんを、みんなで踏んづけての満面の笑顔ですか?
何がめでたい!?
コンクール制度と、異なる型の継承の在り方はもっと論じられるべきですね。
組織は流されて行くのでしょうか。島元先生は、一冊の書籍に、問題を纏められたらいいですね。
それが今後の可能性へ寄与することになりえますね。行政の問題も含め、復帰後の動向をぜひ問題提起してほしいですね。
その後の島元先生の寄稿文に、琉球舞踊について「琉球王国時代からの系統で整理すると7系統になる~中略~もし、系統が一つだけになり、他の系統が衰退すると、琉球舞踊という芸能の多様さ、豊かさは失われる」ということが、実はあまり意味分からなかったのです。「何で系統が一つだけになるの?」って感じで。何でかと言うと、保存会は一応、7系統全てを勉強する研修やってるからです。
でも、保持者を選ぶ方法が「コンクール」のような選考方法だと、エッセイにある「多数派の1本の物差しでは、評価できない多様さ」を評価できないからなんですね。1系統しかいない保持者がつくるコンクール形式の実技審査の選考基準だと「1本の物差し」にしかならないからなんですね。
なるほど、だから「琉球舞踊は滅びるのではないか」ですね。
島元先生に同行する有識者。1名いらした模様。
教育庁側の出席者が、県教育長、3役、文化財課課長、文化財班長、他班員。結構な人数。
島元先生側が、島元先生、有識者、島元先生の介助者の3名。
島元先生に同行される有識者がいたことに少しホッとしました。
当日、島元先生に同行された有識者とはどなたでしょう?情報あったら教えて下さい。あ!知っている人ならどなたでも。
もし本当なら、少しホッとしないではないが、実に酷い話だ。
県教育庁は、職場に行くことがストレスで鬱を発症している人を、その職場に来させて面談しようということですよね。教育庁は。酷い対応ですね。
島元先生は、介助がいないと無理な体調で、敵(実質的にそうですよね?)が大勢待ち構えている場所。虎口に入っていったのですか?
胸が痛くなります。
パワハラを防ぐ第三者機関がどちらにもないのだろうか。このブログのコメント見る限り第三者的な有識者もグルなら防ぐどころか、皆でよってたかってイジメのようなもんですね
沖縄県が携わっておきながら、誰も助けないどころか、県の機関も補助金の不正流用まで絡ませてしまう。県の機関もグルになってるなど考えられない!沖縄県大丈夫か?これって処罰を受けるようなことではないのか?