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「島人の目」を連載しているイタリア在住のTVディレクター仲宗根雅則さんの連載エッセイはたまに目にするが、どことなくいいと思う。
確かイタリア人の女性と結婚して当地に住んでいる方である。外から見える沖縄の例えば首里城炎上についてのコラムもどこかピリッとしたものを感じたが、このイタリアの現状を書いたエッセイからイタリア人の思いがけない素顔がうかがい知れた。イタリアのCOVID-19の感染者や死者が多いというメディアのデータがよく目に入ってくるのだが、この仲宗根さんが語りかけてくるイタリアは、そのすさまじさを伝えてくると同時にイタリア人気質の一端が分かった。
4月22日時点で141人もの医師が殉職し、医療崩壊の現況に、退職した医師8千人が手をあげてボランティアで馳せたという。「イタリア最大の産業はボランティア」という箴言まであるという事実に驚く。
イタリア人婿となった仲宗根さんはイタリア人の博愛と慣用と忍耐精神にあらためて感動したと書いている。自己犠牲をいとわず(ウィルス故に命を失った医師の数の多さ)、コミュニティーの安寧、福利のために自らの命を賭して行動する精神に頭が下がる。
自我を超えた行為の美しさ!崇高な精神がやどる人々の存在は、生きる、生かされる日々の営みに勇気を与えてくれる。
「コロナ地獄の中の救い」は強烈だ。明るい陽差しの下にも奥にも地獄が顔を覗かせているのだろうが、超える力はわたしたちの究極の良識なのだろうか。