沖縄でコクトーの『声』です。興味深い。ドラマトゥルクが兼島拓也で、それはまた興味深い。主演の新垣七奈は今注目されている役者・演出家で「演劇ユニット多々ら」を主催する。若手のホープだろうか。一度だけ彼女の一人芝居を観たが、独特な感性と演技だと感心したことがある。
チラシ(フライヤー)が小文字で詳細を裏表でUPしている感じが今流の好みだろうか。あくまで若者のためのフライヤーのデザイン。
2013年にブロードウェイで現代演劇を観た時、その作品はピュリツア賞に輝いたのだが、トイレで初老の女性たちが多いことに驚いた。演劇は女性たちの最大の娯楽なのだと、妙に納得し、白髪やグレーヘヤ―の同齢らしき女性たちを見つめたことが思いだされる。
沖縄の現代劇は若者たちのためのものだけではないと思うのだが、超小文字のフライヤーを見ると、スマホ文化の若者文化そのものだと、納得はしても、うんざりもする。死ぬまで意識は輝いている。20歳で人生をあきらめたり分かったつもりの若者は、熟年するにつれて輝く意識の凄さを意識した方がいいのかもしれない。
ヘルマン・ヘッセの『人は成熟するにつれて若くなる』を先日還暦を過ぎて恋に陥っている友人から紹介された。