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志情(しなさき)の海へ

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東アジア共同体研究所(EACI) News Weeky Vol.053 「FMぎのわん 琉球・沖縄センター1時間スペシャル」】

2016-01-19 00:24:34 | 沖縄の過去・現在・未来
 
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    EACI News Weekly 第53号(1月15日号)
   東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )
    http://eaci.or.jp/

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 【目次】

 【1】《今週のニュース 1/9-1/15》
  政治(3)、経済(2)、国際(4)、社会(2)

 【2】《UIチャンネル放送予告 No.136》
 1月18日(月)20時
 第136回UIチャンネル生放送 ゲスト:岡田充氏(共同通信客員論説委員)
 http://live.nicovideo.jp/watch/lv248750434

 【3】《EACIレポート》
 1月26日新外交イニシアチブがシンポ【外交のしくみを紐解く
  -安保・原発・沖縄基地と日米関係の実像-】を開催

 【4‐1】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「FMぎのわん 琉球・沖縄センター1時間スペシャル」

【4‐2】《研究員コラム》
 瑞慶覧長敏(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター事務局長)
「事務長日記No.2」

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【1】《今週のニュース 1/9-1/15》
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【政治】
■沖縄県、国提訴へ…辺野古巡り係争処理委却下で
 (読売新聞  2016.1.15)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160115-OYT1T50065.html

■辺野古:係争委決定に不服 沖縄県が国提訴へ
 (沖縄タイムス 2016.1.15)
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=149792

■補正予算案が衆院通過、3万円給付やTPP対策
(北海道新聞 2016.1.14)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0222994.html

【経済】
■アジアREIT型投資信託が日本国内で急拡大、今後は如何に?:研究員の眼
 (ハフィントン・ポスト 2016.1.7)
http://www.huffingtonpost.jp/nissei-kisokenkyujyo/asia-reit_b_8974654.html

■TPP「関税をゼロにしても成長が見込めるとは思えない」
 (週刊女性 2016.1.15)
http://www.jprime.jp/tv_net/nippon/22825

【国際】
■ 比最高裁、米軍再駐留「合憲」と判断
(日経新聞 2016.1.12)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H8I_S6A110C1FF1000/

■米軍、フィリピンに駐留可能に 南シナ海に進出する中国を見据え、両国の利害が一致
 (ニュースフィア 2016.1.14)
http://newsphere.jp/world-report/20160114-1/

■アジア系アメリカ人に結束呼びかける初の政治団体、活動開始
(TBS 2016.1.15)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2680171.html

■イラン軍、米軍哨戒艇2隻を拿捕 乗組員10人は解放
(朝日新聞 2016.1.13)
http://www.asahi.com/articles/ASJ1F2CF1J1FUHBI004.html

【社会】
■300人が座り込み 辺野古、海上で掘削調査か
 (琉球新報 2016.1.13)
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-203112.html

■ ガールスカウトの高校生がミャンマー訪問 言葉の壁超え交流
(東京新聞 2016.1.15)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201601/CK2016011502000166.html

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【2】《UIチャンネル放送予告 No.136》
 1月18日(月)20時
 第136回UIチャンネル生放送 ゲスト:岡田充氏(共同通信客員論説委員)
 http://live.nicovideo.jp/watch/lv248750434
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 1月18日(月)20時からの第136回UIチャンネル放送は、ゲストにUIチャンネル初出演となります共同通信客員論説委員の岡田充氏をお招きして、高野孟×岡田充対談「南シナ海をめぐる米中確執の真相」をお送り致します。

岡田充氏プロフィール...
1972年慶応大学法学部卒業後、共同通信社に入社。香港、モスクワ、台北各支局長、編集委員、論説委員を経て2008年から共同通信客員論説委員、桜美林大非常勤講師。拓殖大客員教授、法政大兼任講師を歴任。
著書 「尖閣諸島問題―領土ナショナリズムの魔力」(蒼蒼社) 「中国と台湾―対立と共存の両岸関係」 (講談社現代新書)
番組内では質問を受け付けておりますので、コメント欄またはinfo@eaci.or.jpまでお寄せ下さい。
■《UIチャンネル放送予告 No.136》
 1月18日(月)20時
 第136回UIチャンネル生放送 ゲスト:岡田充氏(共同通信客員論説委員)
 http://live.nicovideo.jp/watch/lv248750434

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【3】《EACIレポート》
 1月26日新外交イニシアチブがシンポ【外交のしくみを紐解く -安保・原発・沖縄基地と日米関係の実像-】を開催
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 UIチャンネルにも出演してくださった猿田佐世(新外交イニシアチブ事務局長)さんの講演会が行われます。詳細は以下を参照下さい。

 ★ ★ ★

 安保法制、原発、TPP、沖縄基地などの問題は、日本とアメリカとの関係に密接に関わっています。この「アメリカ」とは誰を指し、実際の日米外交はどのような形で行われているのか――
「アーミテージ報告書は、2000年から日本に集団的自衛権の行使を求めていた」
「沖縄の人口は2000人かと聞くアメリカの議員」
「世界で一番多くのロビーイストをアメリカで雇っているのは日本」
「日本政府がアメリカ議会のTPP議員連盟を作った」
「アメリカ政府は日本に使用済み核燃料再処理をやめさせたい」など、
日米外交をウォッチし続け情報発信をしている弁護士 猿田佐世(ND事務局長)が、日米外交のしくみをわかりやすく紐解きます。

●日時:2016年1月26日(火) 19:00~21:00(18:30開場)

●会場:文京シビックセンター 小ホール
 住所:東京都文京区春日1‐16‐21
 電話:03-3812-7111(文京区役所代表)
 地図:http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/civiccenter/civic.html
 最寄り駅:丸ノ内線・南北線「後楽園駅」、三田線・大江戸線「春日駅」、総武
      線「水道橋駅」

●講演:猿田佐世(ND事務局長・弁護士)
自らワシントンにてロビーイングを行う他、日本の国会議員等の訪米行動を企画・実施。二度の稲嶺進名護市長の訪米行動、そして2015年6月には翁長雄志沖縄県知事に随行する沖縄訪米団の企画同行を担当。米議員・米政府面談設定の他、米シンクタンクでのシンポジウム、米国連邦議会における院内集会等を開催。

●参加費:1000円(ND会員・学生は無料、当日入会可)

●お申込み:
下記ページの申し込みフォームをご利用ください。
http://www.nd-initiative.org/event/2127/
当日参加も受け付けますが、できる限り事前申込みをお願いいたします。

●定員:370名

●主催:新外交イニシアティブ(ND)

●お問い合わせ先:新外交イニシアティブ(ND)事務局
 03-3948-7255
 Web:www.nd-initiative.org
 東京都新宿区新宿 1-15-9 さわだビル 5階
 E-mail:info@nd-initiative.org
 Facebook:www.facebook.com/NewDiplomacyInitiative
 Twitter:@nd_initiative

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【4-1】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「FMぎのわん 琉球・沖縄センター1時間スペシャル」
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海を破壊するのは誰?

「海に土砂を入れてしまえば、もう後戻りはできない」
沖縄防衛局の幹部が言ったせりふだ。
何という恥チラー(恥さらし)。

中国が尖閣を狙い、北朝鮮は水爆で日本を攻める、さあ備えはどうする。普天間基地は老朽化して危険だから同じ沖縄の辺野古の海を埋め立てて新しく軍事基地を造る。これが一貫した安倍政権の考え。
沖縄は自ら基地を提供したことはない。過重負担の上に耐用年数200年の基地が出来たら、かえって戦争を招く。決して造らせてはならない。海を壊したら元には戻らない。これが一貫した沖縄の考え。

こうした沖縄の訴えには全く耳を貸さず、少しでも抵抗する人は排除しようと、海では海上保安庁、陸では警視庁とALSOCが結託し、辺野古のカヌーとキャンプ前の人々を襲う。この予算だけで50億を超す。彼らは何のために働いているのか。土砂搬入のダンプを守るためだけか?
全国の建設業者が基地建設という最高のもうけ仕事がやって来るのを待っている。沖縄の負担?環境破壊?そんなものは知ったことか。
海上保安庁や警視庁や民間会社ALSOCは本来は日本の安全を守らなければならない。ところが彼らは環境を破壊し、戦争を準備する作業を粛々と進めている。辺野古の現場を訪れると、状況は既に戦争前夜のようだ。

FMぎのわん特番より

昨年の10月中旬、普天間基地のすぐ近くにあるFMぎのわんに
鳩山理事長を迎えて1時間の特番を放送した。
司会は東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター事務局長の
瑞慶覧長敏(ずけらん・ちょうびん)氏、二人の沖縄在住の女性も加わり、
スタジオでいろいろと話をしてもらった。
彼女たちにとっては生まれた時から、米軍基地は沖縄に存在する。
戦争をするための装置、しかも外国の軍隊がえんえんと居座り続けることに本土の人間は知らんぷりを決め込んでいる。それを責めることなく彼女たちは問題解決を図ろうとしている。
活字起こしされたものを読んで、改めてそう感じた。(テープ起こしは琉球・沖縄センターのスタッフ・賀数さんが担当した。)

瑞慶覧 鳩山理事長こんにちは。今日はよろしくお願いいたします。まず、鳩山さんと沖縄の関係というか、最初に沖縄に来たのはいつですか。

鳩山 ほとんど来たことがなかったんです。政治家になり、自民党時代の末期に一度来て、沖縄は空気が違うな、やはり歴史の重みや苦しみを感じている土地柄だなと思って関心を持ち、とくに民主党になってからいろいろと活動を強めてきました。

瑞慶覧 旅行で来たことは?

鳩山 旅行で来たことは一度もないの。どうもすみません。

瑞慶覧 では自民党時代の時に来て以来、だいたい何回くらい?

鳩山 30回は来てないかもしれません。今年では4回目です。民主党を結党して割とすぐに、党大会を沖縄でやったんです。ですから民主党は沖縄のことに関してもっと鋭いスタンスを持っていなきゃいけない。当時は持っていたんですよ。

瑞慶覧 離島は?

鳩山 宮古島、石垣島は伺いました。与那国はまだ行ったことないのですが、与那国蚕を見に行きたいです。私は蝶が好きなのですが、褄紅蝶が沖縄で飛んでいるのを見ると心臓がドキドキします。

瑞慶覧 沖縄の食べ物はどうですか。

鳩山 好きですよ。私は沖縄に来たら必ずソーキそばを食べて帰りたい。それからサーターアンダギーが大好きです。

瑞慶覧 この辺で一曲入れたいのですが、お好きな曲はありますか。

鳩山 ジョンレノンのイマジン。暇人じゃないですよ、イマジン。

瑞慶覧 それでは、今日はまた新たなお二人、女性の方がスタジオまで来てくれました。まずは自己紹介も兼ねて、鳩山さんと少しずつお話しをしてください。

新垣 新垣ヨリエと申します。政治のことに関心を持ったのは3.11以降ではあるんですけど、自民党から民主党に代わった変動の時も家族や親ともいろいろ話をしておりました。今日は元総理と直接お話しできることをものすごく光栄に思っております。よろしくお願いします。

真壁 真壁ミキと申します。まず、申し上げにくいのですが、鳩山さんに翻弄されて複雑な思いを持ちながらも、それでも総理時代に真剣に沖縄のことに取り組んでくださったし、ここまで島に基地反対の機運が高まっているのも、鳩山さんのおかげだと感謝している県民も多くいることをはじめにお伝えしたいと思います。今日はよろしくお願いします。

新垣 私は沖縄に生まれて、特に海外に出るようになって、自分のアイデンティティーというものを、歴史を紐解くというか見るようになりました。辺野古の問題、沖縄の地位協定が安保だという中で、この100分の1以下の国土面積の島に住む人々の人権というものは、どんな風になっているのかなど、いろいろお話を伺いたいと思います。

鳩山 ここも、東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センターをやっているわけですけど、まさに、この琉球という地が東アジアの中で一番の結節点というか、ど真ん中にあると思うんです。民族が昔から交流してきているわけで、特に沖縄、琉球の方々はいろんな血が入ってきて、私はそれが、美しさ、強さの秘訣だと思います。今は政権によって翻弄されているのは間違いないかもしれませんが、琉球が、沖縄が他の地域に比べて強さがあるとすれば、そこですよね。

新垣 チャンプルー文化というのがあるように、ウチナーンチュは人との交流、物流を大事にしていた。そういうものを、私たち新しい世代が交流を持って、ちゃんと歴史認識を持ってつなげていきたいし子供にもそう伝えている。私たちお母さん世代で、これ以上基地は要らないよねという話をよくするんですけど、じゃあ中国脅威論は?と言われたときに、仮想敵国を作って武装することが果たして正しいことなのかとなると、みんなそこで躊躇してしまう。でもそこを選択肢として選んでいる人たちもいる。鳩山さんは今東アジアの共同体というものの中で、みんなと歴史認識を分かち合って、ということで行動されていると思いますが、中国脅威論に関してどう思いますか。

鳩山 私はちょうど二日前まで、「北東アジアの平和と発展に関するフォーラム」に呼ばれて、中国に三日間いました。その中での講演を聞いてわかったのは、なぜ日本だけがまだ冷戦思考から抜けきれてないのと、中国の方に言われたんですよ。中国はもう新しい時代に来ているのではないかと。かつてはいろいろあったかもしれない。しかし我々はもはや二度と戦争なんてものは考えてもいないし、むしろ習近平主席が東アジア共同体とおっしゃっているんですよ。彼らは、お互いにウィンウィンの関係を作ろうよとメッセージを出しているのに、日本が中国脅威論を作り出している。それは相当な部分誇張がある。なぜかというと、自分達が戦争ができる普通の国にできるから。そのために沖縄にまだ基地が必要なんだ、普天間
 を閉じても辺野古が必要なんだという論理を正当化するために、中国脅威論というものを作っている。それは大変中国に対して失礼な話。そういうことを考えていると、私は、日本だけが取り残されてしまうように思えてなりません。孤立した日本というものをこれから作り出してしまうことになっているのではないか、非常に心配しています。

瑞慶覧 沖縄は特に敏感ですよね。日本だけが取り残され、そのせいで沖縄がまた犠牲になるという構図があって。日本の方々って鈍感なのかなって。

鳩山 沖縄も日本だけどね。でもウチナーンチュとそれ以外の方々の意識の差って相当ありますよね。

新垣 数年前に中国で暴動があった時、北京大学に通っていたいとこに聞くと、大学構内では全くそういう情報は入ってこない、知らなかったと。学校に通っている子は相当な国から大学に来ていて、みんな歴史認識をちゃんとしていて学問を通じてものすごくいい交流をしているから、メディアを流しているのは一部の人達じゃないかと冷静な意見だった。見えないところを、メディアを通じて信じることはものすごく危ないと思った。中国脅威論があちこちでアジアにはあることを見ていくと、私たち市民レベルでつながっていて、下から積み上げていく政治をしないといけない、民主主義というものを強く感じた。

鳩山 尖閣の国有化という棚上げしていたものを突然国営化ということを日本が言ったから、中国の人は当然怒る。一部で暴動があったのは事実だと思うが、それを誇張して、だから中国は怖いんだというイメージを作るために最大限利用してきている部分がある。その北京大学におられた方は非常に冷静だと思うし、むしろそれが事実で、中国中が暴動で騒いでいるみたいに報道されたけど、現実はそうではない。天津で私が聞いたのは、ほとんどの中国人は日本が好き。嫌いだったら、反日教育をどんどんやっていたら、(日本に)行くわけがない、私たちはそれなりに正しく歴史を教えていると。それは正しいと思います。お互いに自国を守りたいという気持ちがあるから、多少日本に対して反日的な部分は伝わっているかもし
 れないけど、多くの方はそれよりも、日本の製品を買って、日本のカルチャーに触れてという喜びのほうが大きいから、爆買いとも言われるくらい中国の方が来られている。その現実を踏まえないと、私たちは本当に取り残されてしまうと思います。

真壁 今のところ民主党は辺野古を容認していますが、辺野古基地建設に反対の議員の方たちが辺野古に足を運んで、沖縄県民を前に、辺野古基地建設反対というのを表明してくれる可能性はあるのでしょうか。

鳩山 一部の民主党の議員、リベラルな方々は、気持ちの中では今の民主党の考えとは違って、辺野古はダメだ、阻止だという気持ちになっている。でもそれを明らかにして民主党の態度を変えさせるというところまで至っていない。これから日本の政局が動くときで、共産党が政界再編をやるために大連立組みましょうとメッセージを出したが、その中でネックになるのが辺野古の問題で、一つになれるかということ、これは辺野古がNOといういわゆる安全保障の問題だけではなく、民主主義の危機だという状況なんです。安倍政権が翁長知事の埋め立て承認の取り消しという決断にもかかわらず、無茶苦茶なことをしようとしている、民主主義を冒涜するような怖いことが実際起きている。それに対してどうふるまうのか、とい
 うのは野党が協力してきちんとメッセージを出せる部分。そのひとつが辺野古なのです。そういう意味で、辺野古NOだということを民主党が決めるべき時がもう来ていると思う。一度YESと言ったものをNOと言いにくいとは思うが、民主主義が守られるかどうかの戦いなのですという話で、辺野古の問題にきちっとしたメッセージを出してもらいたい。それが次の参議院選挙で、自民党が敗れるか敗れないかという大変大きな分水嶺になるのではないでしょうか。

真壁 国民連合が実現すると、辺野古基地建設の阻止はできるのでしょうか。

鳩山 私はできると思います。全ての政策を一致させるということは無理だと思いますが、大きな議論に対して大筋の方向性というものを合わせていきながら、候補者をお互いにうまくそり合わせて、ぶつからないようにしていくことが大事だと思う。本当は民主党がもっとしっかりと音頭を取るべき時だと思うが、今は共産党にお株を奪われている。共産党は自分たちの今までの主義主張を投げてでも、連立政権を取ることが日本を救うこと、安倍政権を倒すことがこの国、あるいは沖縄の未来を確かなものにするんだ、という発想で自分の主張を抑えるということをされていますから、大したものだと思います。

瑞慶覧 沖縄の方々はいつも沖縄問題だとか基地問題は沖縄だ、辺野古の問題だと言われるが、本当はそうじゃない。日本全体の問題なのだから。民主主義を守るか守らないかという大きな問題になってきているのだから、そこら辺を日本全体がわかってくれるようになったら、また大きな、歴史の中でも変化があるかもしれないですね。

真壁 世界を変えるために、私たちウチナーンチュ頑張りましょう。

新垣 小さな島だけど大きな力を持っていると思います。

鳩山 すごい力を持っていると思いますよ。今翁長知事を中心に世界にメッセージを発信している。大したものだと思います。

瑞慶覧 新垣さんは宜野湾市にお住まいとのことですが、メディアでもよく言われていますが、危険性の除去という意味では普天間をなくさないといけないでしょう、だったら辺野古しかないんじゃないのとか、普天間の方々は実際どう感じているのでしょう。

新垣 私の世代ってものすごく当事者的な意識があって、発言する人たちが嫌だと思っている、繊細な部分がある。逆に辺野古の人たちもそうだと思う。みんな変なレッテルを張られるのが怖くて何も言わないが、選挙だけはしっかりする。それが反映されたのが去年の選挙だと思う。

鳩山 宜野湾でも選挙で、翁長さんもみんなも勝っている。普天間を閉じてほしい、しかし辺野古はダメだというところで勝っている。答えは、今、海兵隊というものがどこまで存在して、それが抑止力になるかということだと思う。アメリカ自身も予算が足りなくなってきて国防費を削減している中で、海兵隊は意味あるのかという、根源的なものを議論しているにもかかわらず、日本が海兵隊さんいてくださいみたいな話になっている。普天間を閉じて、海兵隊さんもういなくて結構ですよという答えはあるわけですよ。どこか沖縄に、あるいは日本のどこかに作らなきゃいけないという話ではもうなくなっていると思うんですよね。

真壁 普天間の危険性除去と辺野古に新基地を作るというのを一つに並べて、危険性の除去のためには新しい基地をという図式、このフレーズが出来上がってしまっているというところで、歪んだ認識になっているウチナーンチュも多いのではないかと思っている。この二つはそれぞれ別の問題であって、一行でまとめられるものではないですよね。

新垣 普天間基地の危険性を訴える中で中国の脅威論もものすごく作為的なものを感じる。これを打破するものは、人それぞれが個々にちゃんと歴史認識をするということ。

瑞慶覧 そういう意味でも、民間レベルでの交流というのがとても重要になってくるわけですよね。昨日は名桜大学で若者たちとトークセッションがありましたが、あまり新聞を読まないような若い方たちに発信するってとても重要じゃないですか。

鳩山 大変重要だと思います。名桜大学でのトークセッションも若い方ばかりで、非常に積極的に、安全保障の問題などにも自分の考えを持っている気がしました。沖縄の若者たちが日本全体の若者たちよりもはるかに、ある意味で政治的にも鋭い感覚を持っていると思います。ただ問題は、琉球新報、沖縄タイムスは正しいメッセージを発信していると思うが、大手メディアの大半が、安倍政権に媚びへつらう形のメッセージを出すことが多い。あまり批判しないわけです。これがこの国を危ない方向に導いてしまっている気がしている。いくつかの新聞は本当に頑張っているが、とんでもない議論をしているようなメディアもある。そういうメディアをどうやって変えていくのか、メディアに対する信頼性というものを国民が、メ
 ディアはこう言っているけど俺はこう思うよ、というしっかりした目を持つということが大事。そういう意味で、若者たちとトークセッションできることが私にとっても幸せです。

瑞慶覧 あと少しで番組は終わってしまいますが、最後にどうぞ。

新垣 民主党政権に代わった時に、ものすごく沖縄の人達は新しい風、光を見たんですけど、公約を守らなかったという中で辞任をされたことがものすごく残念だった。どこかで、そのまま続けていけば突破口があったのではないかと思う。責任を重んじて辞任、で今の現政権は、TPP断固反対、消費税はすべて社会保障にと言っていたのに・・・。

鳩山 おっしゃるとおりで、公約を簡単に翻す政党がなんで認められてしまうのか不思議ですよね。これはメディアを味方につけるから。私はメディアと戦っていた、敵にしてしまったということが、私の失敗を大きくしてしまい、そこは反省点です。

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【4-2】《研究員コラム》
瑞慶覧長敏(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター事務局長)
「事務長日記No.2」
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『沖縄の離島に自衛隊配備を進めるのは自衛隊の失業対策』なぜなら『ロシアの脅威がなくなったので、北海道の自衛隊がやることがなくなっちゃた』から。高野孟のこの話に参加者一同『えっ』。これは高野の言葉ではなく、自衛隊の高官が公の場の対談で発言したもので、『実際にあった本当の話なんですよ、みなさん』と高野は話していた。

今の安倍政権を見ていると、こんなこと別に驚くことではないかもしれない。何でもかんでも中国の脅威論で片づけようとするのだから。
ちなみに、中国脅威論のハッタリに関しても高野は完全に論破している。詳しくは、『高野孟THE JOURNAL』定期購読をお勧めする。毎週月曜日ネットでの配信には様々な情報がちりばめられている。一部の大手メディアに騙されないためにも必読と言える。

話を戻す。
今日の沖縄の地元紙の記事だ。沖縄タイムスは『先島にヘリ部隊計画 防衛省石垣有力候補か』とあり、琉球新報は『先島の陸自ヘリ部隊配備 防衛省、認める』とある。防衛省の真部朗整備計画局長は『現時点で特定の島、地域にヘリ部隊を配置する計画を持っているわけではない』と述べているようだが、だいたいもうこの時点で全て計画が進んでいると考えた方が良い。・・・わけではない言葉は官僚の常とう手段だから。

石垣島の住民は猛反発している。基地が置かれるということはすなわち危険が運ばれてくるという事を十分知っているから。ましてやこれが、本音は脅威論を隠した失業対策であるならば完全に住民をバカにしている。

米軍の前線基地は沖縄から徐々に撤退していく。代わりに、自衛隊をどんどん沖縄に配備していく。辺野古の新基地もゆくゆくは自衛隊が使うという算段。そのためには、中国脅威論が無くなっては困るのだ。沖縄を利用するだけ利用していく。透かさなくてもそんなことはもう十分見えている。

9.11の後、沖縄経済は相当な打撃を被った。観光客のキャンセル、修学旅行生の大型キャンセル、大変な事態だった。米軍基地のある沖縄が危険だからという理由からだ。単純だけれども、社会と言うのはそんなもの。だれも批判はできない。じゃあどうするか。これも単純。危険なものをなくせばいい。危険なものをこれ以上持ち込まなければいい。これが沖縄が学んだ大きな教訓だと思う。だからこそ沖縄の経済界の方々が声を上げ始めたのだ。『基地は沖縄経済の最大の弊害要因』だと。少し前まではこの言葉は革新陣営の常とう句だった。今は経済界の保守だった方々の言葉として発信され出し、今やオール沖縄の言葉になった。

名護市長選、知事選、衆議院選という節目節目の選挙ででオール沖縄は勝ち続けてきた。『もうこれ以上はだまされないぞ』と県民が気付いたからだろう。
数日後に迫った宜野湾市長選。辺野古問題をはぐらかしてディズニーなどとハナシクァッチーする現職に勝たすわけにはいかない。
危険なものを辺野古に移したからもう危険はなくなる。そんなものにだまされてもいかない。それでも相手はだますのに必死だ。だから最後まで気は抜けないのだ。

対抗馬のシムラさんが勝てば現政権の被る打撃は計り知れない。何せ普天間基地のある地元中の地元市長なのだから。沖縄の自己決定権の機運はますます高まり、それに対してアメリカが嫌気をさしていく。そうなると、後ろ盾を失った安倍政権はにっちもさっちもいかなくなる。日米の沖縄政策の大転換点になっていく可能性がある。それからするとこの宜野湾市長選はとてつもなく大きな選挙と言える。

シムラの応援すなわち、沖縄の自己決定権応援なのだ。
自分たちの未来は自分たちで決める。それを主張して今回の事務局長日記を閉じる。

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