志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

「大城幸子独演会」は最後に盛り上がりました!詳細は差し迫った仕事の後で、感動をお届けします!「手作りプログラム」をご紹介しておきます!

2022-08-30 11:50:14 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他
思いの他良かったと参加してくださったみなさまのご感想です。最後はみなさん、カチャーシーで飛び跳ねて踊りました。短い準備期間で、病人の幸子さんを夕方稽古場に連れていって歌合せ、踊り合わせをしたり、片や企画のためにチラシやチケットやプログラムのことを考えたり~、何より幸子さんの末期がんとの闘いでした。喉からの出血も含め、無理を強いたかもしれません。しかし、大城幸子さん、貴女は立派でした。


  【祝儀舞踊】

お嬢さんがついてくださったので、母娘の間にあまり立ち入らないようにしていたのですが、会場でのCDプレイヤーの不手際などもあって、始まるまでヒヤヒヤでした。第一部、第二部と、手作り舞台でしたが心ある皆様のしなさきで、盛り上がっていきました。詳細は後ほど!実演家として熟成した芸能者のあの大湾三瑠さん(国指定伝統組踊保持者、安座間本流師範)が、優しく、あたたかく、幸子さんを包容し、いっしょに立ち上がって対のカチャシーを踊ったところで、皆さんは大興奮でした。

体当たりの幸子さんのカチャーシーに対して、熟練して磨かれた、「いちゅび小」や「よー加那よー」の雑踊りでは、唯一、金城良章さんの踊りの型を継承している大湾さんのカチャーシです。みなさんが興奮するのも無理はありませんでした。二枚目、三枚目役も味があり、組踊の女形、乙樽も演じます。また琉球歌劇の主役をこの間演じてきました。

幸子さんは美しいマスクをつけた男性にオーラを感じ、声をかけたそうです。「うんじゅのチラ見せてほしい。チュラカーギーに会ってドキドキしているさ~」で誘ったのです。それに応答して立たれた大湾さんの芸能者としての器の広さ、深さに感銘して手を叩いていました。ただただ大湾さんの心根の優しさに深謝です。幸子さんの気に、手に、動きに、リズムに合わせて踊る大湾さんの踊りは、慈愛と鍛錬された芸能者の身体がかもす「ちゅらさと情き」そのものでした。

(飛び入りのカチャーシーが始まるところです!)

大湾三瑠さんは秀逸な、二人といない実演家、芸能者です。すっかり真喜志きさ子さんも「琉歌乙姫会」のみなさんも、糸満から駆けつけてくださった皆様も、「ゆかるひ」のオーナーの屋嘉道子さんも、『大湾三瑠さん』のフアンになりました。「いつ公演あるの?絶対見に行くわ」と、なりました。

幸子さんは、30分時間がオーバーしているにもかかわらずまだ踊り足りないほど、我を忘れていました。

声もかすれながらも賢明に歌う。三線を弾く幸子さん。「海のちんぼーら」も独特な個性で、さっそく教えてとの声がかかったそうです。『来年もやりたいな』と一言です。続きはまたのちほど!パンフを紹介しておきます。

【大湾三瑠さんは、長いこと舞台を拝見することがなく、今年2月の独演会を楽しみにしていたのですが、コロナ禍で延期になっていることが残念です。思いがけなく、小さな大城幸子さんの独演会に来てくださって、ありがとうございました。みなさん、とても華やいでくれました。とくに主役の幸子さんが喜んでいました。感謝!また急なお願いにもかかわらず地謡を引き受けてくださった山里 進さんにとても感謝しています。いい声をしています。今後創作民謡を含め、ますますご活躍してほしい方です。上江洲節子さん、お嬢様の薫さんも太鼓で応援して下さいました。感謝。】

写真は後ほど何枚かご紹介します。
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    大城幸子独演会プログラム
     ご挨拶
序:那良伊千鳥のディンサー節による祝儀舞踊
  • 出演者のご紹介
1部:オリジナル作詞・作曲(情き歌、他)
    ○ 母ぬ面影(ふぁふぁぬうむかじ)
      ☆うちなーぐち語り
    ○ 恋路花 (くいじばな)
      片糸の恋
                  みやらび
      桜花
    ○ 夫婦旅(みーとぅたび)
    ○ 胴頑丈(どぅがんじゅー)
 注★幸子さんの喉の調子に合わせて歌います。一部山里と与那覇が歌ってご 紹介します。歌詞の紹介はうちなーぐちでやります。
    ☆うちなーぐち語り(耳が不自由な中の歌・三線、舞踊について)
      (舞踊の着替えの間に山里 進&上江洲節子の民謡1、2曲)
  II部:舞踊
   ○ 一人川平節  
   ○ 海のちんぼーらー(料亭那覇で糸数カメさんからの直伝)
   ○ カチャーシー 

          いっぺーにふぇーでーびる
                  2022年8月28日・15:00~
                           ゆかるひ、にて
   
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出演者のご紹介  

 大城 幸子     
昭和23年12月8日、西原町棚原で母、旧姓城間鶴子の次女として出生。多嘉良カナと料亭で知友の鶴子は歌・三線に長け、棚原ではノロの役目を果たした。赤髪で耳の聞こえない女の子は祖母カマドの娘として育てられた。

現在琉大病院の主治医は、末期癌で「いつ爆発してもおかしくない」と宣告している。この間、腎臓癌や乳癌、さらに甲状腺癌を患い14回のオペを受けてきた。好きな琉球民謡の作詞・作曲、踊りを心の糧にしながら、現在まで生かされてきたことに深謝しつつ、今回の公演に臨んでいる。

民謡の作詞・作曲家大城幸子のデビューは2011年9月(録音2004年)。実姉多嘉良和枝作品集のリリースによる。『弾(DAN)』13作品の歌詞・作曲の内、6作品は幸子(幸代と記載)の歌詞であり、元々独自に作曲した6曲がアレンジされ歌われている。これらの作品は、18年前に他界した夫、大城茂の大型トラックの助手席に乗り、全国を駆け巡った中で出来上がった。彼女が作詞・作曲した民謡は現在十数作品に及ぶ。

幸子は小さい頃沖縄芝居が好きで芋炊きや幕引き、拍子木打ちのしごとを手伝ってきた。20代から「料亭那覇」で糸数カメに可愛がられて歌・三線になじみ、雑踊りや古典を踊ってきた。幸子の「海ぬちんぼーらー」「カナヨー天川」「恋の花」は人気があった。補聴器によって耳がほぼ聞こえるようになったのは20代後半からである。

ここ数年、愛楽園を含め、デイケアセンター、老人ホーム、居酒屋、祝宴、平和通り、国際通りなどで歌・三線を演唱し、踊ってきた。

地謡: 上江洲節子 (琉球民謡音楽協会 太鼓、民謡 師範)
    山里 進(民謡(由絃会(上江洲由孝会主)師範) 
司会: 与那覇晶子 (大城幸子を応援する会代表)

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  作品集 
   
母ぬ面影(2017年の作品)

1. 我や西原ぬ棚原ぬ生まり  母ぬ懐るん 我身や知らん
2. 童やる間や 何事ん思まん   我ん産る母に 会いぶしゃぬ
3. 泣くが産しなちょてぃ 捨て行かりゆみ
    朝夕恨みてぃん 他所ぬ知ゆみ
4. 淋しさぬあまり 杜登てぃ見りば
    はぐり夜烏ん 泣ちょてぃ飛ぶさ
5.  二人ぬ親がなし あの世旅立ちょてぃ
     恨みてんちゃすが 思い残くち
6.  残さりる我身や 誰頼てぃ行ちゅが
    無情ぬくぬ世間や   ジュリ小ぬ身ぬ勤とぅみ

ツラネ:
東太陽拝でぃ 二人ぬ親がなし
  いひん片時ん 忘る間や無さみ
  あの世旅立ちょてぃ
恨みてぃんちゃすが
  情あてぃ 月ん照らちたぼり

  恋路花
  • 忘してぃ 忘しらりみ
恋路花抱ちょてぃ  思切りんならん 我肝苦りさ

  • 流りゆる雲に 我が思い乗してぃ
偲ぶ恋心 知らちたぼり

  • 元や片袖に 慣ちゃる二人やしが
情ねん花や 散りてぃ行ちゅみ

  • 恋しさぬあまり 鳴くなよ千鳥
大和離りとてぃ 自由ならん


みやらび
1.春や蕾花 色浅く染まてぃ
       やがて色付きば 鶯ん鳴ちゅさよ
       島ぬみやらびや 恋ぬ花咲かち

2.夏ぬ太陽受けてぃ 山や緑葉に
  花や実となとてぃ 匂いぬ香ばしゃよ
  島ぬみやらびや 色美らしゃ香ばしゃ

3.秋ぬむみじ葉や 赤々く染まてぃ
  やがて風連れてぃ 落てぃ行ちゅみよ
  島ぬみやらびや  一人山の端に
4.冬ぬ山肌や 雪に積みらりてぃ
        結ぶ綾糸ん 切れてぃ行ちゅみよ
       島ぬみやらびや 
        四季待ちょてぃ 咲ちゅさ

      夫婦旅
  • 誰頼てぃ行ちゅが
大和橋架きてぃ
頼る人居らん 定みと思てぃ
互いに手ゆ取合い 渡てぃ来ゃしが

  • 旅ぬ上ぬ暮し 語る人居らん
肌にさす風や 我肝染まてぃ
夫婦語ゆしや 島ぬ情

  • 島ぬ面影や 忘る事無さみ
行ち欲さやあしが 侭んならん
島に橋架けてぃ 渡てぃ見欲しゃ
 
  • 雪降てぃぬ後どぅ 花ん又咲ちゅさ
肝焦じするな 思い抱ちょてぃ
夫婦花咲かち 戻てぃ行かや
 

胴頑丈(どぅがんじゅー)
  • あきよ我が心 ランプふや心
内や焦がりとてぃ 色や見ぃらん
__あー大事なとぉさや
  あんしんしむさ胴頑丈 胴頑丈
    (くりかえし)
  • あまぬ云言葉ん くまぬ云言葉ん
聞きば聞く程に 蜘蛛ぬ巣
  • 花や花やてぃん 我が鼻見りば
屋根ぬシーサーん 後しじちゃー
  • 寒くなてぃくりば 思里や御側
暑くなてぃくりば 蚊御側
  • 御祝事続ち 心嬉しさぬ
懐ぬ銭ん 外廻る
  • 若さぬ間や 今帰仁ぬ御神
ゆ寄る年重に 家ぬ御神
__あーいっぺー、大事なとぉさや
  あんしんしむさ胴頑丈 胴頑丈

     桜花
  • 春のすゆ風に 心浮かさりてぃ
野に山にん出てぃ
でぃちゃよ遊ば でぃちゃよ遊ば

  1. 花や桜花 美童や美らさ
じるに勝やびが
風に訊ちゅさ 風に訊ちゅさ

  • 島結いしぇる髪 桜花飾てぃ
思やー小と手取てぃ
踊る嬉しゃ 踊る嬉しゃ

  • 夕ん暮りてぃ来りば 月鏡しちょてぃ
互に思事ん
語てぃ戻ら 語てぃ戻ら

片糸の恋
  • 結でぃ結ばらん 片糸の恋や
如何し結ばりが
語てぃたぼり 語てぃたぼり

  • 思いばぬ契り 肝に染みたしが
糸引かん我身や
思て忍ぶ 思て忍ぶ

  • 廻いがな廻てぃ 磯に鳴く千鳥
互に春知らん
闇路迷ゆてぃ 闇路迷ゆてぃ

  • 片糸ややてぃん 恋ぬ糸でむぬ
枠の糸綛に
掛きてぃ待ちゅさ 掛きてぃ待ちゅさ

(以上、大城幸子 作詞・作曲作品のご紹介です。)
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☆写真は8月24日、西原町の琉球舞踊、歌・三線、太鼓研究所で踊りの稽古中の幸子さん。抗ガン剤のため手足が痛くなっている中、全力を振り絞っています。踊りの型が美しいです。


 
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