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志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

大城立裕作品集『あなた』はいいですね!拈華微笑(ねんげみしょう)の作品は神女殿内に生まれた作家の父母の物語が興味深い!

2018-10-16 01:20:30 | 書評

作家の父母の淡々とした語り(記述)が戦前の神女殿内の生活と辻遊廓があった沖縄社会を映し出していて、伊波普猷が具体的に語りえなかったパズルをまた浮き彫りにしているようだ。辻に異母兄弟姉妹がいた伊波は当時の沖縄の中産階層の男子が辻のジュリを妾にしたり、大いにその界隈に出入りしていたことを『沖縄女性史』に記しているが、作家の大城はより細やかに辻のジュリを妾にしたり、その界隈に入り浸っていた父を淡々と描写している。母との葛藤もあったであろう戦前の神女殿内の父親の放蕩ぶりがそそっと迫ってくる。息子を慈しむ父の姿があり、拈華微笑がなるほどと、感じさせる。(続く)

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ねんげ‐みしょう〔‐ミセウ〕【×拈華微笑】仏語。釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で説法した際、花をひねり大衆に示したところ、だれにもその意味がわからなかったが、ただ摩訶迦葉(まかかしょう)だけが真意を知って微笑したという故事。そこで釈迦は彼にだけ仏教の真理を授けたといい、禅宗で、以心伝心で法を体得する妙を示すときの語。


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