新報は小さく告知をしてくれたのですが、沖縄タイムスの扱いは非情に今回そっけなかったですね。これだけの中身のある講演は県の教育委員会がやった「組踊のシンポジウム」の面白さ以上の中身だったと自負できます。登壇されたメンバーも優れた研究者、演出家、作曲家でしたがーー。
でも観光ともリンクしえる沖縄の芸能であり演劇ですが、その基本的なコンセプトや問題についての指摘や論議の場に新聞社の芸能担当者に情報を投げ、取材をお願いしたのだけれど(新報)、取材されたのか、よくわかりません。早稲田の「復帰40年記念シンポジウム」で狩俣恵一先生といっしょにパネルチームを組んでいる沖縄タイムスの真栄里泰球さんは参加していましたね。
いろいろなイヴェントがあったとはいえ、そっけなさには板谷先生のスタンスになりたくなります。しかし、氏は、本質を見据えているのかもしれませんね。「国立劇場なんかなくていい!」のご発言は重い指摘です!それを否定的に取るか、奥が深いと取るか、受け取り方(受け取る人)によって異なると思います。(沖縄は思いこみが強いところだからとも板谷氏。私もまた!)
国立劇場おきなわの現在をありのままのシステムとして肯定した上での批評もありで、またそれを凌駕する創造も創作もあるのかもしれません。しかし、日本政府(文化庁)が性急に国の重要文化財として指定して、ユネスコの世界無形文化財指定である。混沌から型や形を造りだそうとする現在、「モデル(模範)がいないではないか」と厳しい指摘もあった。
実は国内植民地沖縄の政治経済の縛りは文化にもありえる。国立劇場はいわば日本の植民地沖縄の文化的象徴の歪曲された建物でもありえるのかもしれない。それをよく知悉した上で芸術監督も(スタッフも?)活動しているように見えなくもない。そうでもないのだろうか?(巷では自主事業だけ宣伝して、貸しホールの公演や他地域の多目的ホールでの公演などのチラシさえ挟み込みもさせてもらえず、非協力的で誰のための劇場だろうか、の声もある。沖縄の民衆に開かれた劇場ではないのらしい。自己目的の劇場で、組踊に特化し、沖縄芝居や現代劇を担っている方々の不満の声も聞こえてくる。中央の文化行政のシステムの上にあり、そこに沖縄の独自性がシステムとしても生かせないゴリゴリな中央と地方の問題があるようだ。やはり自決権とも絡んでくるのだろうか?自治州だと独自カラ―がもっと制度的に出せるのかもしれない!例えば国立劇場の公演が名護の市民会館でも観賞できるような広がりがない。開かれていないのである。なぜか国の監視のもとに精一杯奮闘しているが、多くの沖縄の民衆のために手を差し伸べてもいないイメージがする!)
運営の大変さがあると推測できる。しかし、沖縄の精神の弱さだろうか?置かれた位置の非情さゆえだろうか?表の麗しさにそぐわない過酷さも脈々と続いているようだ。
(画像がぼけているのですが、狩俣恵一先生はとても熱かったですね。先生の緻密な研究と共に知的刺激を受けました!)
プロ集団が育ちにくいシマチャビを生き生かされているのは変わらないのだろう。その突破口が「沖縄芝居実験劇場」だと見ている。かつての沖縄芝居の名優が築き上げた芝居の粋が今玉城盛義を代表とする面々によって受け継がれ、世界をうかがっている。彼らがより普遍性・土着性をもった沖縄演劇の公演へと突き進むのだろう。欧米では劇場には劇団が付属している!
劇場に付属する演劇集団が日本の国立劇場にはない。ドイツを見習いたい。沖縄は独自の路線が取れないままだ。日本の中の国立劇場だから、その範囲内に括られる。そこからはみ出すことは無理なのだろうか?沖縄の民衆が自ら自発的に継承し、支持する積極的な体制が作れたらいいと切に思う。
新聞社などが先導して近場の台湾、韓国、中国、香港などでの公演を増やすのもいいね。ロングランになりえない環境もある!面白いと1週間でも観衆が押し掛けるに違いない。しかし現実は遠い?
メディアも価値も東京中心だからなのかもしれない。独自性を独自の文化エッセンシャルを出せないとーー。エイサーや民謡など、空手、芸能(演劇)、そして?文学?アート、音楽、あらゆる芸術創造、工芸、陶器、織物、染め物、などなど。
それからフラダンスしかないハワイ(?)よりもっと多様に面白い総合性のある芸術を独自に文化伝統としてもってきた土着文化圏=少数民族は多いと言えよう。沖縄に類似する地域は世界にけっこうある。その点ではケルトの文化圏に関心をもっている。スコットランド、ウェールズ、ブルターニュ、アイルランドなど、独自言語圏・文化圏がマジョリティー言語と凌ぎながら自らのアイデンティティーを保持し、継承し、発展させている地域がある。ケルト文化圏の方々はやはり言語=魂が誇りの中心だと話していた。またニュージーランドのネイティヴの人々も独自言語を保持・継承しつつ英語を公用語にしているとお聞きした。言語=魂とするなら、ウチナーの魂はどのあたりを彷徨っているのだろうか?
沖縄の現実はどうだろう?ウチナーグチさーま話し物語するとぅくまんねぇーびらん!
(わんねー雑草がいっぺーぬーがら、気にかかてぃないびらん。肝心がなーだやしくないびーんやー)
(実はいい写真があるのですが、画素数がいいのでUPできません、残念ですね)
最新の画像[もっと見る]
-
アメリカの知の牙城が攻撃を受ける~?助成金で操作される大学システム!?自由な思想と真理の追究が使命の大学!? 23時間前
-
Cultural Evolution(文化進化論)について!適切な専門書5冊! 2日前
-
先日、これ良かったらどうぞと渡された小説『三つ編み」はインド、シチリア、カナダに住む3人の女性の物語が一つの結晶になる~! 2日前
-
英語の勉強にもいいですね!⇒【アメリカ情勢が一発でわかる!】トランプ政権・最強の若き女性報道官が教えてくれる!(英語字幕/日本語訳付き) 4日前
-
伊波貞子さんや金城恵子さんの民謡を拝聴したいですね!「琉球・おきなわこころの歌」です! 4日前
-
伊波貞子さんや金城恵子さんの民謡を拝聴したいですね!「琉球・おきなわこころの歌」です! 4日前
-
今朝の新聞を見て驚いた!「文化遺伝子」はご自分が編み出した新概念だと、吹聴している高良 勉さんが以倉絋平さん後任の「山之口貘賞選考員」だという~! 5日前
-
今朝の新聞を見て驚いた!「文化遺伝子」はご自分が編み出した新概念だと、吹聴している高良 勉さんが以倉絋平さん後任の「山之口貘賞選考員」だという~! 5日前
-
アカショービンがやってきた!お昼15時半頃に鳴き声が聞こえてきた。 5日前
-
アカショービンがやってきた!お昼15時半頃に鳴き声が聞こえてきた。 5日前