ひさびさに面白い本に出合いました
『一路』(いちろ)、浅田次郎の時代小説。
あらすじ
文久2年(1862年)師走、参勤交代の全てを取り仕切る供頭の小野寺家の嫡男・小野寺一路(おのでら いちろ)は、
国元、西美濃田名部郡の屋敷で父親が失火で命を落としたとの報せを受け、急きょ田名部へ戻る。
田名部の地を治める蒔坂左京大夫(まいさか さきょうのだいぶ)は無役の旗本で、
隔年の参勤を果たさなければならなかった。
殿様からの拝領屋敷を焼失したという大失態は家名断絶にも等しい不祥事だったが、
一路は家督を相続し供頭としての務めを果たすこととなった。
しかしながら、一路は父から仕事について何も教わっていなかった。
焼け跡から見つかった文箱から、先祖が記した約230年前の参勤の記録を見つけた一路は、
時代を経て省略されてきた古式行列の作法を復活させようとする。
行列に不手際があればお家取り潰しは確実、古文書の「参勤交代は行軍、戦そのものである」との言葉を胸に、
背水の陣の覚悟で臨む一路に、難題は次々と振りかかる。
雪深い峠越え、殿様の発熱による到着の遅れ、何よりも重大な難事は、
左京太夫の叔父将監が主君の命を狙う陰謀を企てていることだった。
とまあこんな感じなのですが
補足
大きな大名ではなく7500石の大名の参勤交代は総勢50名
冬の中山道を江戸に向けて2週間でたどり着かねばなりません
吹雪の峠、増水する大河、途方に暮れる一路ですが
そんな一路を陰になり日向になり助ける、菩提寺の和尚や
旅回りの占い師の存在が心強い。
殿さまの左京太夫は、芝居狂いのうつけものと評判のバカ殿
しかし道中を歩むうちに、その姿が明らかになっていきます。
苦難に次ぐ苦難の中、一路が必死の思いで奮闘する姿に
涙が禁じられないですぞ。
ひさびさ、本を読んで涙ぐみましたわ。
シビアな状況なのに、ユーモラスに描いてあり
笑いどころも満載でいい本だと思います。
是非お読みください
ぜひ映画化してほしいなあ
音楽や本は一期一会で出会う
タイミングや背景で、その後の
人間形成に影響します。
泣いたり笑ったりの繰り返し
ですが人としての厚みになれ
ばいいですね。
私は猿の見る夢(桐野夏生)を
読みフライデーチャイナタウン
の弾き語りを練習し、バーボン
を呑んで残暑を楽しんでます。
フライデーチャイナタウン!
カッコ良い!
ジャスミンに口づけを!
良い残暑をお過ごしくださいね〜