浅田次郎 夕映え天使
浅田次郎さんの短編集です
本屋で見かけて、面白そうなので読んでみました
浅田さんの作品は、いろいろ読んだ記憶はあるのですが
特に記憶に残ってるのは
JALの機内誌に連載しているエッセイが好きでした
10年位前、しょっちゅう出張に行く仕事があって
2年くらい毎月のように飛行機に乗ってた時がありました
そんときに楽しみにしてたのが機内誌です
ひまにあかせて読んでたのですが、
浅田さんのエッセイが毎回おもしろかったですねえ
何とも言えない、おっさんのおっさんによるおっさん為のエッセイでしたw
そんな浅田さんの短編集6編の短編集です
本の宣伝には、落涙必至と書いてあります
たまには泣くのもいいかもですね
読んでみました
一つ一つが心に響きます
まあ小説ですから、あたりはずれはありますが
2編だけは、なかなか読ませました
「琥珀」という短編は、テレビドラマにもなったようで
面白かった
定年を控えた警官が年休消化で訪れた何もない三陸の港町
長年勤めあげたが1つの手柄も無く、出世とは縁のない警察人生でした
ふと、入ったうらぶれた喫茶店
何気に店主の顔を見ると、なんと時効間近の殺人犯でした
さてそれに気づいた年老いた警官はどんな行動に出るのか?
そして、もう一編
特別な日という短編
これはすごいです、ぜひ読んでもらいたいです
買うのがいやだったら、本屋で立ち読みするとよろしい
あるサラリーマンが定年退職する日の話です
長年勤めあげた会社を去る日、できの悪い部下に説教の一つでもしてやって
さて帰るかというとき
かつて、不倫していた美形の社長秘書に最後に一晩付き合ってほしいといわれるが
今日はいつもと変わらないように過ごすんだと断ります
自分のことを優秀だと自負していますが、同期のやつが社長になってしまい
忸怩たる気持ちを持て余し、最後に一言言ってやろうと
社長室へ向かうのですが、結局言いたいこともいえず帰路へ
行きつけの立ち飲み屋で、
親父がサービスに旨いものを出そうとしますが
いつもと同じメニューでいいよいい、いつもと同じに金を払い帰路へ
家に帰ると糟糠の妻が、いつもと変わりなく出迎えてくれます
なんということの無い、定年退職の日を描いてるかと思いきや
どんでん返しの結末を迎えます
涙無くしては読めないかも
とまあこんな感じです
ちょっと浅田ワールドに浸りたくなってきました