「食べる世界地図(The edible atlas)」を読みました(2015年4月発売)@エクスナレッジ発行
「食べる世界地図」(ミーナ・ホランド著、清水由貴子訳、エクスナレッジ発行)は イギリスのフードジャーナリストが個人の思い入れとともに綴ったエッセイですが ぶ厚い本ながらもとても読みやすく 39カ国を順番に読んでいきました
ちょうどミラノ万博も始まったところだし(日本館は連日長蛇の列とのこと) 世界の食事をざっと眺めるにちょうどいい一冊です:
書評には 「異文化料理の写真がないのが残念だが、その分想像力が刺激され」とありますが いやホント写真が見たかった~(;_;) 訳者あとがきにも 名前も聞いたことのない料理を検索エンジンで調べた ある意味翻訳者泣かせの本でもあるとのこと
それに著者がイギリス人で イギリスは昔から料理に対する関心が薄く 食の革命もようやく近年起きたといいます
それでもこの「食べる世界地図」は グルマン世界料理本大賞2015 UK「食の紀行」部門でグランプリ受賞という一冊 さぁ 世界を食べながら旅してみよう...
* * *
フランス...旅するぶどう とても書ききれない程の美食の旅!!ノルマンディー ロワール渓谷 ローヌ・アルプ プロヴァンス...
スペイン...社会階層によって食べるものも違っていた カリスマシェフの創作料理vs多くの人々が日常食べているコシ―ドやタパスなどの料理 ピメントンというスモークしたパプリカを粉にしたスパイスのこと アンダルシアのスープはガスパッチョだけじゃない
ポルトガル...デザートはほとんどが卵黄と佐藤で作られている 地元の食材を生かした田舎料理が主 なくてはならない塩漬けタラのこと(バカリャ/ヴェネツィアではバッカラ/baccala'といいますね)
イタリア...イタリアの「おばあちゃん問題」のこと シェフの帽子をかぶったマンマの味のお店のこと な なんとここにある「究極のトマトソースのレシピ」!! カラブリア料理の名前の特徴(「ンドランゲタ」のようにンで始まるものが多い)と辛い料理 様々な文化が入れ替わり立ち代わり影響を残したシチリア料理 ブラッドオレンジはなぜ果実が赤いのか ヴェネツィアのバーカロ(居酒屋)で飲むオンブラ/ombra(グラスワイン) タユー/tajut チケッティ/cichetti(つまみ)はヴェネト方言
東ヨーロッパ...ボルシチはとにかく少ない野菜と肉で暖かくおいしいスープを作った知恵
ドイツ...ソーセージは1500種類 ザウアークラウトは保存食
スカンジナビア...バイキングの実用主義 保存食の酢漬けニシン
中東...スパイスルート トルコの色鮮やかな料理 イスラエルの食文化は複雑な多国籍料理 レバント料理 ペルシャ料理はハーブを多用
アジア...インド料理はバリエーションに寛大で自己流のアレンジが大事 ベンガルカレーのスパイス 南インドはココナッツを使ったあっさりカレー タイのナンプラー(魚醤)は古代ローマのガルムに匹敵する調味料
ベトナム ...ベトナム料理は中国料理に最も近く フランスの影響もところどころ受けている これは占領した国の食文化が反映されているのですね 高級な食材は中国に送られ 長いこと残り物でやりくりしてきた それゆえにヘルシーで味わい深い
中国...医食同源 陰陽の食べ物をバランスよく食べてきたが 西洋の食事が入ってきて崩れつつあるとのこと 四川 広東料理...
朝鮮...朝鮮料理を食べる手順はいろいろあって忙しい 韓国のプルコギ キムチ ビビンバ
日本...伝統的な和食は一汁三菜 150年前までは仏教の教えにより 四つ足の動物を食べるのは禁じられており 魚介類が主だった
色とバランスの取れた日本食の 甘味 酸味 苦味 塩味にくわえてうま味(グルタミン)の5味
アフリカ...同じ皿から食べるものは裏切らない ということわざがあり 大皿料理をみんなで食べる キャッサバ フフ(マッシュポテト) モロッコのタジン鍋料理 鍋の数がとにかく多いモロッコ料理 ハリッサ(辛口のペースト) クスクス...
南北アメリカ... 歴史のまだ浅いカリフォルニア料理 ルイジアナ料理はソウルフード メキシコはトルティーヤ とうもろこしの粉 ハバネロなどのさまざまな辛い食材 カリブ諸島 ペルー ブラジル アルゼンチン(長い海岸線があるにもかかわらず魚はめったに食べない)の様々な料理の特徴... 尽きることがないエピソード
それだけでなく 各国のソフリート(野菜を刻んで炒めたソース)のリストや 買い置きリスト 詳しいレシピも嬉しい(#^.^#)
これを読んでいる間 あれこれ作ってみたいなぁ~と考えたり 今まで食べた各国の料理を思い出したりと楽しいひとときでした(*^^)v
* * *
ちなみに 「食事の健康度 各国調査」(英国ケンブリッジ大代謝科学研究所の今村博士らの研究グループ)によると 健康的な食品の消費が多い国は ギリシャやトルコなどの地中海沿岸諸国(地中海食を反映して) 逆に少ない国はハンガリーなどの中欧諸国やウズベキスタンなどの旧ソビエト諸国 日本は上から90番目とのことでした(毎日新聞2015年4月30日夕刊)
本は こちら
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「食べる世界地図」(ミーナ・ホランド著、清水由貴子訳、エクスナレッジ発行)は イギリスのフードジャーナリストが個人の思い入れとともに綴ったエッセイですが ぶ厚い本ながらもとても読みやすく 39カ国を順番に読んでいきました
ちょうどミラノ万博も始まったところだし(日本館は連日長蛇の列とのこと) 世界の食事をざっと眺めるにちょうどいい一冊です:
書評には 「異文化料理の写真がないのが残念だが、その分想像力が刺激され」とありますが いやホント写真が見たかった~(;_;) 訳者あとがきにも 名前も聞いたことのない料理を検索エンジンで調べた ある意味翻訳者泣かせの本でもあるとのこと
それに著者がイギリス人で イギリスは昔から料理に対する関心が薄く 食の革命もようやく近年起きたといいます
それでもこの「食べる世界地図」は グルマン世界料理本大賞2015 UK「食の紀行」部門でグランプリ受賞という一冊 さぁ 世界を食べながら旅してみよう...
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フランス...旅するぶどう とても書ききれない程の美食の旅!!ノルマンディー ロワール渓谷 ローヌ・アルプ プロヴァンス...
スペイン...社会階層によって食べるものも違っていた カリスマシェフの創作料理vs多くの人々が日常食べているコシ―ドやタパスなどの料理 ピメントンというスモークしたパプリカを粉にしたスパイスのこと アンダルシアのスープはガスパッチョだけじゃない
ポルトガル...デザートはほとんどが卵黄と佐藤で作られている 地元の食材を生かした田舎料理が主 なくてはならない塩漬けタラのこと(バカリャ/ヴェネツィアではバッカラ/baccala'といいますね)
イタリア...イタリアの「おばあちゃん問題」のこと シェフの帽子をかぶったマンマの味のお店のこと な なんとここにある「究極のトマトソースのレシピ」!! カラブリア料理の名前の特徴(「ンドランゲタ」のようにンで始まるものが多い)と辛い料理 様々な文化が入れ替わり立ち代わり影響を残したシチリア料理 ブラッドオレンジはなぜ果実が赤いのか ヴェネツィアのバーカロ(居酒屋)で飲むオンブラ/ombra(グラスワイン) タユー/tajut チケッティ/cichetti(つまみ)はヴェネト方言
東ヨーロッパ...ボルシチはとにかく少ない野菜と肉で暖かくおいしいスープを作った知恵
ドイツ...ソーセージは1500種類 ザウアークラウトは保存食
スカンジナビア...バイキングの実用主義 保存食の酢漬けニシン
中東...スパイスルート トルコの色鮮やかな料理 イスラエルの食文化は複雑な多国籍料理 レバント料理 ペルシャ料理はハーブを多用
アジア...インド料理はバリエーションに寛大で自己流のアレンジが大事 ベンガルカレーのスパイス 南インドはココナッツを使ったあっさりカレー タイのナンプラー(魚醤)は古代ローマのガルムに匹敵する調味料
ベトナム ...ベトナム料理は中国料理に最も近く フランスの影響もところどころ受けている これは占領した国の食文化が反映されているのですね 高級な食材は中国に送られ 長いこと残り物でやりくりしてきた それゆえにヘルシーで味わい深い
中国...医食同源 陰陽の食べ物をバランスよく食べてきたが 西洋の食事が入ってきて崩れつつあるとのこと 四川 広東料理...
朝鮮...朝鮮料理を食べる手順はいろいろあって忙しい 韓国のプルコギ キムチ ビビンバ
日本...伝統的な和食は一汁三菜 150年前までは仏教の教えにより 四つ足の動物を食べるのは禁じられており 魚介類が主だった
色とバランスの取れた日本食の 甘味 酸味 苦味 塩味にくわえてうま味(グルタミン)の5味
アフリカ...同じ皿から食べるものは裏切らない ということわざがあり 大皿料理をみんなで食べる キャッサバ フフ(マッシュポテト) モロッコのタジン鍋料理 鍋の数がとにかく多いモロッコ料理 ハリッサ(辛口のペースト) クスクス...
南北アメリカ... 歴史のまだ浅いカリフォルニア料理 ルイジアナ料理はソウルフード メキシコはトルティーヤ とうもろこしの粉 ハバネロなどのさまざまな辛い食材 カリブ諸島 ペルー ブラジル アルゼンチン(長い海岸線があるにもかかわらず魚はめったに食べない)の様々な料理の特徴... 尽きることがないエピソード
それだけでなく 各国のソフリート(野菜を刻んで炒めたソース)のリストや 買い置きリスト 詳しいレシピも嬉しい(#^.^#)
これを読んでいる間 あれこれ作ってみたいなぁ~と考えたり 今まで食べた各国の料理を思い出したりと楽しいひとときでした(*^^)v
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ちなみに 「食事の健康度 各国調査」(英国ケンブリッジ大代謝科学研究所の今村博士らの研究グループ)によると 健康的な食品の消費が多い国は ギリシャやトルコなどの地中海沿岸諸国(地中海食を反映して) 逆に少ない国はハンガリーなどの中欧諸国やウズベキスタンなどの旧ソビエト諸国 日本は上から90番目とのことでした(毎日新聞2015年4月30日夕刊)
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