日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

第3回フォスコ・マライ―ニ賞(Premio Fosco Maraini)授賞式リポート(2017.12.7)@イタリア文化会館

2017年12月22日 | イタリア関連の催し

第3回フォスコ・マライ―ニ賞(Premio Fosco Maraini) 授賞式リポート(2017.12.7)@イタリア文化会館

スピーチコンテスト出場の余韻冷めやらぬ12月7日(木) 行ってきましたイタリア文化会館の「第3回フォスコ・マライ―ニ賞 授賞式」!!

2013年に設置された「フォスコ・マライーニ賞」は 1978年に創設し 2007年に中断された「マルコ・ポーロ賞(Premio Marco Polo)」を継承するもので 日本におけるイタリア文化への理解と関心を促進することを目的としています

第3回受賞作は 委員長の和田忠彦氏をはじめ 西谷修 小佐野重利 尾崎真理子の各氏で構成される選考委員会により 2015年7月から 2017年6月の間に出版された 日本語によるイタリアに関する優れた著作の中から 中谷惣著『訴える人びと : イタリア中世都市の司法と政治』(名古屋大学出版会、2016年)が選出されました

私的な利害関係を動機に市井の人びとが法廷に立ち その訴えを通して正義と公共善の結びつきを絶えず更新していく様を 未踏査の裁判記録の綿密な資料調査に基づいて明らかにしていく研究書です

本は こちら


受賞の言葉で印象的だったのは 氏の12年間の研究の成果だということ またそして 氏がルッカ古文書館(Archivio di Stato di Lucca)で 14世紀の裁判の記録をひたすら読み続けたその際の描写 羊皮紙のカバーの匂い 14世紀の紙の匂い インクを乾燥させるための砂がページの隙間からぱらぱらと落ちるさま 中世の空気を ページとページの間に感じながら読み進めたこと... その様子が目に浮かびました

この時代の市井の人々の裁判の記録は ひとつひとつは小さなことでも 大きなスパンで見てみると 時代の変化が見えてくる それを一冊の本にまとめたとのこと 
そしてタイトルを「訴える人びと」としたのもまた 市井の人々の記録をまとめることで やがて司法や国家の形を変えてゆくきっかけになるのではないかと思ったとの言葉に ご家族や支えてくださったまわりの方々への感謝の思いとともに 感銘を受けました

授賞式のあとにはビュッフェが行われ 私はそのあとすぐに 自分が元いたクラスに行って 元クラスメートに自分の今回のスピーチを聞いてもらい 先生ともお話しました♪ そのあとは引き続き「伊東マンショ」の上映会です 

素晴らしい賞を受賞されました研究者 中谷惣様の 今後のさらなるご活躍をお祈り申し上げます 

第3回フォスコ・マライ―ニ賞 授賞式 開催のお知らせは こちら


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