日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

講演会シリーズ「世界の書棚から」シリーズ第10回「イタリアの児童書ブックトークLibri per bambini」に行ってきました(2022.12.23)@板橋区立中央図書館

2023年01月07日 | イタリアの本・絵本・雑誌

講演会シリーズ「世界の書棚から」シリーズ第10回「イタリアの児童書ブックトーク Libri per bambini 23 dicembre 2022)」に行ってきました(2022.12.23)@板橋区立中央図書館

 

絵本のまち いたばし」の  板橋区立中央図書館・板橋区立美術館が合同で 

月1回開催している「世界の書棚から」シリーズ  

第9回に続いて 第10回はふたたびイタリア💕 「イタリアの児童書ブックトーク

Libri per bambini 23 dicembre 2022)」です:

 

この日は イタリア文化会館図書室の稲田様より(いつも本借りにいっております📚) イタリア文化会館の紹介から始まり (この建物を設計したガエ・アウレンティ展開催中です←2023年3月12日まで) 

2021は ダンテ没後700年 2022は パゾリーニ生誕100周年 2023はイタロ・カルヴィーノ生誕100周年とのお話を伺い イタリアの児童書についての貴重なお話を伺いました

     イタリア文化会館のそれぞれの時代の建物

 

2010年から2020年にかけてイタリアで新しく出版された児童書数はかなり伸びたとのこと 

またここ3年間はステイホームの影響もあり オンラインショップが成長しました 

Erin Doomという素性を明かさない謎の作家が Wattpadというオンライン文学プラットフォームで作品を発表し それが出版社の目にとまり書籍化されたものが Z世代によって支持され TikTokでアクセス数が伸びてゆき...という若者文化についてのお話を伺いました 

Sei del 2003?」 という 18才向けに 500€を文化イベントのために支給するというイタリア文化庁の取り組みも コロナ後に生まれたとのこと 

   *         *       *

次に 2022年に日本で出版された イタリアの児童文学について:

アウシュヴィッツの小さな姉妹 "Noi, bambine ad Auschwitz"  翻訳者の丹羽秀文氏がこの会場にいらしており 訳してみての感想も直接伺うことができました

13枚のピンぼけ写真  "Fuori fuoco"  関口英子先生が訳されましたが チェルビアット絵本店のzoomのイベントで 詳しくお話を伺ったことがあります

 

頭のなかには何がある? 脳をめぐる15の疑問 そして お金はなんの役に立つ? 経済をめぐる15の疑問ピエルドメニコ・バッカラリオ 文

おおきくなったら、 なんになる? " Da grande"  刀根里絵 ミラノ在住 自分でイタリア語で書いてから 自分で日本語に訳すとのこと! イタリア人編集者とわたりあってイタリアで絵本を出すパワー!!

ゾウがあのこと いっしょにくらすと そして ゾウがあのこを すきになると

  ダヴィデ・カリ作 この2冊は 化学書を出している「化学同人」が出したイタリア本で注目💕

おはなしのたねをまくと... 2022年の第28回翻訳大賞課題図書 大賞を受賞されたのは東京大学時代に共にイタリア語を学んだ6人の元クラスメートたちだそうです🌠  

幸せの列車に乗せられた少年 関口先生訳 南部の子供たちが戦後 北部に養子に行った実話とのことです

マロ―ネとつくるクッキー  そして ・モカとつくるホットチョコレート 刀根里絵

キーウの月 ジャンニ・ロダーリ作 内田洋子訳 今年8月に緊急出版されました

1960年のロダーリのfilastrocca に収録されている1節で 2022月年2月のウクライナ侵攻があった時に 多くのイタリア人がこのロダーリの「キーウの月」が頭に浮かんだそうです 国境がどうのという前に 子供たちのことを考えるとこのお話にふれずにはいられないと イタリアでも共感が広まっているそうです 

(私も11月に 絵本館で読み聞かせをさせていただきました📚)

うそつき王国とジェルソミーノ  Gelsomino nel paese dei bugiardi

ジャンニ・ロダーリ 2022年11月の講談社文庫シリーズ4冊目は 新井良二絵 山田香苗訳ですが 彼女は映画の字幕翻訳を数多く手がけていらっしゃいます🎥

なんでもさかさまのことばの国にまぎれこんでしまったジェルソミーノの冒険譚は 今の日本の欺瞞に満ちた社会を映し出している気もするとのこと ねこのゾッピーノ(soppino)はアンチ・ヒーローでもあります 

 

次に まだ日本語訳の出されていないものです:

・ A rifare il mondo  作者のIlaria Rigoli は中学校教師とのこと

   *     *     *

そして ストレーガ賞(premio Strega)についてお話いただきました

なんとこの賞は 日曜会に集まる作家たちの発案で 南イタリアのベネヴェントで有名なリキュール「ストレーガ」(魔女という意味)の酒造会社の資金援助を受けて作られたもので 賞のタイトル文字のデザインは このお酒の瓶に書かれた文字とそっくりなのです🍷🍷

このお酒 ベネヴェントに行った時にしっかりお土産で買いましたよ~😊 

サフランで色づけしてあるのですよね🍷

2022年のストレーガ賞の受賞作品の一部:

 ・Ridi, Romeo!  Otto Gabos   

   ・Miss Dicembre e il Clan di Luna    Antonia Murgo 

    ・il segreto  Nadia Terranova 文  Mara Cervi 絵 ←イラストがなんとも魅力的💕

 ・Sulla vita  sfortunata dei vermi   Noemi Vola  ←なんとミミズの生態観察で意表をついた作品   です😲 イラストが可愛いです~

 ・Lemmi lento lento   Chiara Carminati  実際ナマケモノはいざとなると早く泳げるそうで そこから着想を得たそうです🐊

 

私は 会場に展示されてあった 絵本館やイタリア文化会館図書室の蔵書を見たり 読み聞かせに適した絵本を見つけたり💕 さらには自分で読みたいものやプレゼントしたいものを探したりと🎁 大忙しでした~(笑) 

またイタリア文化会館図書室にも行きます📚 絵本館は 近いのでしょっちゅう行ってます~💕

開催のお知らせは こちら

第11回は スペインです!

 


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