初代ローマ皇帝の別荘か イタリアで遺構発見 東京大などのチーム(2024.4.18)@イタリアのニュース
イタリア南部のベズビオ山北麓にある遺跡から 初代ローマ皇帝アウグストゥスの別荘とみられる建物の遺構が見つかったと 東京大などのチームが17日発表した
ベズビオ山南側のふもとにある都市ポンペイを壊滅させた 紀元後79年の大噴火で埋もれたとみられる
遺構の規模や構造が明らかになれば 貴族が話し合う「共和政」から皇帝中心の「帝政」に移り変わる古代ローマで 皇帝がどう権力を振るっていたかを知るヒントになるかもしれない
またベズビオ山噴火の実態解明も進むと期待される
歴史書に書かれている場所とほぼ一致することから アウグストゥスが人生最後の時間を過ごし 紀元後79年の噴火で埋もれた別荘とみて発掘を進めた
柱や壁 彫像を見つけたが 周囲の地質の分析から より新しい時代のものと分かった
その後さらに深い場所に別の建物があることが判明
同じ深さの地層にある軽石の成分を分析すると 79年の噴火の噴出物と一致したという
建物はさらに以前からあったと考えられ アウグストゥスが生きていた時期とも重なる
昨年までの発掘で ワインなどを入れるつぼ(アンフォラ)や風呂を沸かすかまとみられる設備が見つかった
屋根瓦が著しく破損しており 火山灰やガスが高速で流れる「火砕サージ」に襲われた可能性がある
発掘調査を主導する東京大の村松真理子教授は「火山の噴火による破壊や復興のサイクルに関する新たな知見が得られる。発掘が新たな段階に入った」と話している。(共同)