日独交流 160 周年記念 日独Mangaコンクール2021作品展示会初日に行ってきました(2021.11.15~11.21)@(公財)日独協会
(公財)日独協会主催の 日独交流 160 周年記念 第2回日独Mangaコンクール2021作品展示会 初日に行ってきました
日独交流160周年記念事業として ベルリン独日協会と東京の日独協会が共催した「日独Mangaコンクール」 第2回は 「遠くて近い日独関係」というテーマのもとで 日本各地から寄せられた応募作品と ドイツ側の受賞作品が展示されていました
展示会: 2021年11月15日(月)~11月21日(日) 10:00~18:00
会場: OAGハウス1F ロビー ドイツ文化会館(東京都港区赤坂7-5-56)
第2回は表彰式等はコロナのため行われず 優勝者には10万円の旅行券が贈られたそうです 第1回の時は表彰式でインタビュー等もさせていただき ぜひ第3回では表彰式その他のイベントが無事に開催できたらと願ってやみません
日本側の応募は9作品 第1回にも応募された方が2名いらしてなつかしい限りです ドイツ側は3部門(年代別)すべてで多数の応募があり 回を重ねているからなのではないかと思います
日本側もこれからはティーンエイジャーへの浸透も含めて より多くの方々にエントリーしていただければと思います ← 私も若い頃は漫画を描いて同人誌を発行しておりました!
日本側のエントリー作品を見るとすべて成人で ドイツが好きな人・興味のある人で かつ漫画が描ける方がほとんどでした
優勝作品『日本の中の「ドイツ」』(北口みさ)は 鳴門市ドイツ館をテーマにしており 絵も可愛らしく完成されていて好感が持てました
ドイツ語を学び始めた頃の苦労談を描いた 2等の『渡航経験のない私がドイツを身近に感じるまで』(もりさくら)は かつての自分を彷彿とさせて 見た目までそっくり! 『ケンぺルの江戸幕府観光』(ベア)は 前作同様の個性的なスタイルで年輪を感じさせます ← けっこう好き!
『水玉さんのドイツな日常』(水玉フミコ)は けっこう日常にドイツ語があふれていることや 主人公の仕事である印刷の技術もドイツが発祥であることに気づくお話です
コロナやネットが出てくるような最近のお話から 昔を舞台にした特別賞の『あけぼのさんとドイツ』(藤水琉)まで様々です
できれば入賞者の方たちに直接お話をお伺いしたかったです!
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ドイツ側は 第1部門1等&日本大使館特別賞の『思いがけない冒険』(フロリアン・シュヴァイガー&Dokko)は 愛犬のメロンがベルリンの空港での手違いから東京に飛んでしまい 東京でネットで話題となったことから発見され無事ベルリンに戻るというお話で 柴犬メロンの可愛いこと💖 現代を舞台にした作品ではネットは欠かせないのですね
2等+KAZE特別賞の『君よ知るや』(フォン マン)は両親との別離というテーマ またコロナが日独で知り合った少女たちの行き来を阻むテーマもありました
第3部門1等+Animex特別賞の『我が友の友』(アリオヴィスト・タラニス・ピイヴコ)は 坂東捕虜収容所を舞台にした作品でした
私は老眼のため とても緻密な細かい絵や字がだんだんと読めなくなり 大きなわかりやすい絵や字がたいへん助かりましたが(笑) 展示作品は絵も文もすべて時間をかけて目を通しました! ← 自分も長年漫画を描いてきましたので!
このあと関係者とお茶してから 日伊協会に立ち寄りなつかしの皆様と感激の再会を果たし(2019年末のスピーチコンテスト以来です...) ついでに草月流生け花展を見てから帰りました
← チラシ類
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それに先立ち11月8日 日独協会主催の「ドイツにおける日本マンガの受容と 日本マンガのドイツ語翻訳あれこれ」というテーマで zoomでのトークイベントに参加しました
まずは日本の漫画のドイツでの浸透の歴史をざっと伺い 後半ではドイツ語への翻訳の工夫を 実例とともに説明して頂きました
私が1980年代の旧東ドイツ時代にドレスデンやライプツィヒに行った時は 日本の漫画がまだほとんどなかったことをよく覚えているのですが 今は随分と時代も変わり 日本の漫画がドイツ語に訳され出版されているだけでなく 若者中心の様々なコミック関連イベントが目白押しなのですね! コスプレまであって いや~時代は変わった!!
後半は翻訳について 自分の描いた漫画をドイツ語に翻訳してドイツ人に読んでいただくということをやっていたので とても興味深く聞かせていただきました
今はもう最初からセリフを翻訳することを想定して フキダシを横長に描くのですね! (日本語は縦書きなのでフキダシも縦長です)
オノマトペの訳し方について 日本語には擬音語が多く ドイツ語にない場合はその動詞を使う等のテクニック たとえばドイツにはセミはいないので 「ミーンミーン」をzirpと書くなど zirpenはセミ等が鳴くという動詞なのでそれを使うそうです
ドイツにはセミがいないため代わりにGrille(こおろぎ)という言葉に置き換えるのですが (Zikade/セミという単語はある) 絵はしっかりセミでして... そんな苦労もありますね
そしてドイツ語だけではありませんが 男性 中性 女性名詞の区別があるため 日本語で起きるであろう女性か男性かわからないために起きるどんでん返しが起きない (最初から〇〇は女性だとわかってしまうため) それをなんとか避けるために Jemandという普通は使われないはずの単語に置き換える等の工夫がなされているとの とても興味深い実例を示していただきました
あとは 擬音(ボール等を投げる音)を訳さずに ドイツ語版ではフキダシが空白のままにしてある例も示していただきました イラストの中に描き込まれた日本語(旗や服の中の文字等)はそのままで 日本らしさを大切にしつつ 脇に小さく訳を添えておく等...
そして質疑応答では 日独マンガコンクールの入賞者の方々やドイツからの参加者も含めて 日本の漫画のドイツ語訳に苦労しているエピソードや ドイツでのコミック関連イベントの報告等 なかなか興味深いお話を聞くことができました!!
「日独マンガコンクール2021作品展示会」(2021.11.15~21)は こちら
応募要項は こちら
ベルリン独日協会の「9 Manga Wettbewerb 2021」は こちら
(ドイツ側では9回目となります 2年に1回開催)
「第1回 日独Mangaコンクール授賞式・展示会」に行ってきました(2020.1.16~1.19)@(公財)日独協会 は こちら
ドイツフェア(11月19日~11月30日)は こちら
すばらしいイベントを開催してくださいました(公財)日独協会様に心よりお礼申し上げます