ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

新年あけましておめでとうございます

2007-01-02 21:45:03 | 能楽
あ、新年のご挨拶が遅れてしまいました。
今日は1月2日。謡初めを無事に済ませ、師家でも新年がスタート致しました。

このブログもようやく1年を迎えようとしています。昨年ご愛読頂きましてまことにありがとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。m(__)m

去年は ぬえにとっていろいろと転機の年だったと思います。
舞台では1月に丹波篠山(師家では元旦の深夜に祖先の故郷である兵庫県丹波地方の篠山市の春日神社で『翁』を奉納上演するのが恒例となっています)、および研能会の初会(その年はじめの例会)で『翁』のツレ、千歳のお役を頂きました。若者が勤める露払いの舞である「千歳」のお役を頂いたのは、じつに13年ぶり。しかも研能会では『翁付 賀茂・素働』という重い扱いの上演となり、ぬえは千歳と『賀茂』の後ツレ・天女の大役を勤めさせて頂きました。能だけで2時間50分の長大な上演でした(そのあとに脇狂言も付随したので、全体で3時間超。。)。

この丹波篠山での「翁神事」と研能会での『翁付 賀茂』のレポートとしてこのブログを開設したのが1月7日でした。あと5日でこのブログも1周年! もともとものを書くのは好きな方ですが、我ながらよく続いていると思っています。

ついで2月には同じく研能会で『鵜飼』を勤めましたが、これは久しぶりに自分でも納得の出来た能となりました。う~ん、やっぱり ぬえは切能が好き。その翌日には伊豆の国市に行き、夏の薪能で上演する「子ども創作能」の打合せをしました。これまた毎年恒例の 子どもたちとの楽しい交流が始まりました。

そしてその後、6月に師家の別会で大曲『朝長』を勤めさせて頂きました。年齢に似合わない大曲を勤める機会を頂き、師匠にも複数回の稽古をつけて頂きましたが、これは『道成寺』を披いた時以来のこと。猛烈に稽古も研究もしましたし、舞台ではなんとか大きなキズがなく終えられてホッとしました。自分でも思った通りの事はできたと思いますし、それほど酷評も聞こえてこないから、まあ、無事でよかった。。というところでしょうか。このブログで『朝長』という曲について考察を試みましたが、合計36回という長大な連載になりました。ぬえがおシテを勤めたのは、このほか11月に研能会で『海士』のお役を頂いた計4回となりました。

7月に伊豆の国市で恒例の「狩野川薪能」があり、ぬえらが作った「子ども創作能」『江間の小四郎』と、そのあとに玄人による能『船弁慶・前後之替』が上演され、ぬえは子ども能の地謡の後見と、『船弁慶』の後シテを勤めました。『船弁慶』の子方も地元の小学生・マリナに勤めてもらったのですが、これまた毎年のことながら、小学生がプロの舞台に立つまでには いろんなドラマがありました。もう今年の薪能の計画も進行していますが、毎年この催しは ぬえに本当に力をつけてくれます。

同じく7月に「ぬえの会」サイトを立ち上げました。もう、苦節何年。。という悲願のサイト開設でしたが、あんまり更新していにゃい。。すみません。m(__)m

また ぬえの周囲でも大きなイベントが多かった年で、なんと言っても師匠が11月に『檜垣・蘭拍子』を披かれた事が最も大きなものだったと思います。そのほかにも ぬえも千葉県や近所の小学校など、能楽ワークショップの機会も多かった。結婚式も、8月に福岡、10月に広島と、遠方にお招き頂いた機会が多かった珍しい年です。あ、そうそう、10月に素人会にお邪魔した京都ではじめて「え~~、アナタが ぬえさんなんですか~~!?」と言われたのもビックリ。

今年もすでにあちこちの催しや計画が動き出しています。とくに今年は自分の主宰会「ぬえの会」を催させて頂き、『井筒』を勤める予定でおります。また、他流からご指名を頂いて鎌倉で『隅田川』を勤めさせて頂くなど、晴れがましいお舞台もあって、少々緊張気味のスタートを切った年となりました。

今後ともどうぞ末永くお引き立て頂きますよう、お願い申し上げますとともに、みなさまにとって良い一年でありますように祈念申し上げます~ m(__)m