この日の子ども能の稽古は、本番の公演と同じ大仁神社の神楽殿で行われました。
大仁神社は、頼朝が挙兵の成功を祈った守山八幡宮と同じく、そしてまた三島大社や伊豆山神社のように長い長い歴史を持った神社です。小山の上に拝殿がそびえるのですが、そこに続く階の下がちょっとした広場になっていて、面白いことにはその境内を囲んで円形野外劇場のように石段の客席?があること。神楽殿も拝殿・本殿ではなくこの広場に向いて建っています。
まあ…去年までは大きなホールに組まれた、仮設の、しかし本式の能舞台で演じられてきた子ども能でしたが、いろいろな経緯があって、今年からは神社の境内の神楽殿で、秋祭りの際に演じることになりました。いつかまた、子どもたちを能舞台に立たせてあげたい、という ぬえの願いは今も変わらないですが…
…ところが、いざ実際に神社の神楽殿の上で稽古をしてみると、ああ、ここはなんて見栄えの良い舞台なんでしょう! 境内の広場からは相当に高い位置に舞台が作られていまして、広場から見ると、演者が際だって見えますね~。当日は神社の秋祭りの中で演じるのですから、相当にワイワイガヤガヤ、喧噪の中での上演になろうかとは思いますが、ここまで舞台が高く造られていると、否が応でも注目が集まります。これなら相当強いインパクトをお客さまに与える事ができるかもしれない。
手前味噌ではありますが、ぬえが10年掛けて作り上げてきた子ども能は、小学生が演じるにしては かな~りレベルが高い舞台になっていると自負しております。やっぱり「継続は力」ですよね~。み~んな低学年の時には地謡だけを勤めて、いつかあの立ち方を、主役をやるんだ! と憧れを持って先輩の演技を見つめて。そうして高学年になった頃には、型なんてとっくに見知っているのです。型の基本がわかっていれば、個人のクセを直したり、長所を引き出すのはずっと容易になります。これを10年も続けていれば、もう当地の子ども能というものの輪郭は揺るぎなくなっていますね~ ぬえは市内だけで演じているのは もったいないな~、なんて時々考えます。
それでこの日の稽古なんですが、いや、今までで一番良かったんじゃないかな。みんな大きな声が出せているし、舞台狭しと大暴れ。楽しそうに演じています。おいおい、舞台から落ちるなよ~?? なんだかこの日は稽古とは名ばかりで、直すところがほとんどありませんでした。やっぱり先日、敬老会ではじめて人前で上演する機会を得て、その経験が彼らのバネになったのかも知れない。
こうしてこの日の稽古は終わりました。もう ぬえは本番の出来に不安はぜ~んぜん持っていません。がんばれや~、みんな!
その後、じつはもう1度子ども能の稽古があったのですが、なんだか書き込みが追いつかない…このところまた忙しくしておりまして…
そうして、本日 子ども能のために大きなプレゼントが! とうとう ぬえ家に到着しました。これまたその準備のための大変な作業を9月からずうっと続けていて、それがついに結実したのでした!