ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

願成就院さま参詣

2011-09-26 08:59:50 | 能楽
やっと東京に帰ってきました~(でも明日から石巻に行きますが…)

今日は朝から夕方まで子ども能一色の日でした。子ども能の主要なイベントのひとつである願成就院さまへの参詣も無事に済ますことができました。

まずは朝10時から ゑびすや旅館さんをお借りしての有志子ども稽古。まずはいよいよ再来週に迫った今年の子ども能公演の「本公演」。そこで北条政子という、まあ、役割としては主役ではないのですが、今回また難度を上げた ぬえが課した「中之舞」(略式)を舞う大変な役を勤めるヒトミ(小5)の稽古。結果は…もうちょっと、かなあ。先月この役を勤めたリサ(小4)は、かなり苦しみながらも最後は堂々たる演技でした。リサに負けるなや~?

それから ゑびすやさんのお子さんの みーちゃん(中1)が稽古に合流。半年後に、これは難しいだろう…と ぬえも思う仕舞『小袖曽我』に、ヒトミと一緒に挑戦する目標をたてて特訓中。ところがこれが、なかなか良い出来でして。いや、まだまだ謡や型を覚えて舞う段階ではないのだけれど、何というか、全体的に舞の型が決まるようになってきました。中学生ともなると宿題もハンパないようですし、しかも期末テストの直前だとか。自宅での稽古もあまりままならないと思いますが、身体に舞の基礎はすでに十分取り込まれているのかな。

さて午後には子ども能の出演者全員の稽古。今年は5回も公演があって、その度に配役を替えているのですが、今回の主役 源頼朝役にはカホ(小6)、相手役の山木兼隆にはユイ(小5)を配しました。ぬえ自身…自分が作った台本でありながら、本文も型も必ずしもよく覚えているワケではないのに…ヤツらは ちゃあんと覚えてやがる。「え~先生、違うよここで左に廻るんだよ」「ああ、そうか。スマン スマン。ぢゃその動作で…」…なんだか途中から小学生に教えてもらいながら稽古は進みました。

ま、子ども能のお役は公平にあてがうのがモットーとはいえ、やはり立ち方の役の子は高学年がふさわしく、そうしたら頼朝も、その敵・山木兼隆も、ともに今年子ども能にはじめて出演した新人さん…カホとユイの二人がこの役を勤めることとなりました。こちらもちょっと苦戦しましたが、願成就院さまに子どもたちが謡を奉納する約束の時間も迫っていたので、ここで終了。

で、願成就院さまにみんなで参集しました。ご住職さまの般若心経の読経に続いて子どもたちが『伊豆の頼朝』の一節の謡を奉納し、区長さまとご住職さまからお言葉を頂いて、無事に奉納を終えました。

このあと区長さんのお計らいで、当日の公演会場となる守山八幡宮の舞殿で1ぺんだけ稽古をさせて頂きましたが…ををっ?? これはどうしたことか、先ほどとは見違えるような良い出来です。やっぱり舞台に立って気持ちが引き締まったのかなあ。謡の声も大きいし、型も鋭く切れのある様子。

をいをい、ぬえの昼間の稽古の時はそんなに気合いが入っていなかったぢゃないかあ~(хх,)
ま…当日の出来が期待できただけでも良いか~。。

いよいよ今日から東北に行って参ります(なんと5日間!)
その間は ぬえはネット環境がないので書き込みができないかも、です~