ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

子ども創作能 年内最後のお稽古

2011-12-11 02:22:58 | 能楽
今日は伊豆で子ども能の年内最後のお稽古でした。学校公演などで長いこと東京にさえいなかったので、伊豆の子どもたちに会うのは久しぶりな感じ。

何と言っても、今年は今までに前例がないほど子ども能の公演回数が多くて、なんと合計5回もの公演がありました。もっとも最後の5回目はまだ公演日を迎えておりませんで、この公演日は来年2月です。とはいえ、これほどの多くの公演も初めてなら、それでは、っていうんで配役を毎回替えてできるだけ多くの子が主役を勤められるようにしたもんだから、稽古もちょっと大変でした。いやいや、公演のたびに違う役を勤めなければならなかった子どもたちや、それを家庭で支える保護者の方が大変だったと思いますけれどね~



そんなわけで、次回。。2月の公演では ちょっと思い切った配役にしました。これまで最上級生の6年生が勤める慣習だった 子ども能の主役・準主役を、5年生と。。なんと、1年生に勤めてもらおう、というのです。

まあ、半分冗談…ではないですが、上演会場が神社の舞台で、観梅を主たる目的とした催しへの出演ですから、こちらも ちょっとお祭りのような気分の配役。1年間の総決算でもあり、子どもたちへのご褒美でもあり…そうして、いつも地謡ばかり勤めている低学年の子どもたちにも、1回くらいは重要な役目を与えることによって、責任感を持ってもらおう、という狙いも ぬえにはありますのですけれどね。

まあそうやって、失敗して爆笑して、という感じのお稽古でしたけれども、もう一度、通して稽古してみよう、と ぬえが呼び掛けてやってみたら。。あら? エライ良い出来ではありませんか。なんで?? いかにも運動神経のよさそうな1年生のタケトは大抜擢の準主役の型も身軽にこなし、はじめて立ち方を勤めることになった4年生も、ちゃあんと段取りまで頭に入っている。。アナタ方、何者??



そうして稽古終了後はみんなで近所の大きな公園に行って、これも段々と恒例になってきましたが、遊びに行きました。サッカーに、ダルマさんが転んだに… ぬえはバレないように、できるだけ走らないで済むように上手に参加。そのうちロープで作ったジャングルジムのような高い遊具を使って、なんと、たぶん世界初の「3Dダルマさんが転んだ」まで始まりました。いえ、もっとも、「はじめの一歩」ができない、という理由で数分で自然消滅して、またボールを追っかける みなさまではありましたけれど。(^◇^;)



そのうちに山の端から大きな月が昇ってきました。そういえば今夜は皆既月食!

昇ってきた、あまりにも美しい月。これを見たママたちの一人が言いました。

まあ!まるで満月みたい!

そうです。まるで、ぢゃなくて「満月」なのです。皆既月食があるんですからね~~(・_・、)