ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

東北支援の旅、スタートしました!(その13=はじめての石巻訪問のビデオ!)

2012-01-16 09:57:15 | 能楽の心と癒しプロジェクト
ご報告の途中ではありますが、驚いたことがありまして~
ぬえが震災後に初めて石巻を訪れた際のビデオが届けられました! こんな映像が残っていたなんて~!!

もう半年以上前になりますね、ぬえが石巻を訪問したのは。。詳細はこのブログの中で次のページでご紹介しております。
東北の被災地に行ってきました
石巻市で支援団体にコンタクト
石巻市の在宅避難者支援団体『明友館』【支援希望】
避難所でボランティア(その1)
避難所でボランティア(その2)
避難所でボランティア(その3)…避難所で舞囃子を舞ってきました

…詳細はこちらをご参照頂くとして、要するに以前に学校公演で石巻と気仙沼を訪れた ぬえが、震災後に心に刺さったトゲを抜くために、6月下旬に何をして良いかわからないままに一人で東北地方へ行き、そこで出会った支援団体「明友館」の千葉恵弘さんのご紹介によって湊小学校避難所(当時)に手伝いに行きました。ここで出会ったのが避難所を拠点に住民さんの支援活動をずうっと続けている「チーム神戸」でして、彼らからこの日避難所の掃除を任された ぬえは一人黙々と湊小学校の廊下を磨いていました。7時間の掃除の終わりに、たまたま音楽室でテノール歌手の小栗慎介さんが慰問コンサートを開かれるところに出くわして、ぬえは能楽師であることを名乗って、そのコンサートの前座として飛び入り出演させて頂いたのでした。

このときは飛び入りですので小栗さんの貴重な時間を頂いて、ほんの10分だけ…録音音源を使って舞囃子『高砂』を舞ったのですが、言うなれば ぬえの東北支援活動の原点がこの時の上演でした。この日はものすごく暑くて、7時間の掃除のあと汗まみれになっていましたが、小栗さんに出演の許可を頂いて、すぐに ぬえを受け入れてくれた「チーム神戸」にその旨を連絡、何か使うこともあるかも…と思って車に積んでいた着物にすぐに着替えて録音音源が入っているICレコーダーと小型アンプを用意して、扇をおっ取り…この間、ほんの10分くらいで準備をしたのではないでしょうか。

コンサートには30名ほどの住人さんが集まってくださいまして、何人かは掃除をしている最中に何度も挨拶を交わした方の顔もありました。着物に着替えた ぬえを見て驚かれた様子でしたが、簡単な能の説明や、なぜ ぬえがここにいるのか、という事情をお話して、舞囃子の上演。さらに「高砂」のサワリをみなさんで謡って頂いて、ちょうど10分くらいで終了して小栗さんにバトンタッチしました。隣の教室で洋服に着替えた ぬえは音楽室に戻って、正座して小栗さんの演奏を聴きました。

このとき、開演前のあわただしい時間に、たしかに三脚にビデオカメラを据え付けた女性があって、ぬえに「撮影してもいいですか?」と問われたのでした。ですから正確にはこの時の映像がどこかに残っているかもしれない、ということだけは知っていました。それからお髭のカメラマンの方がコンサートの間中撮影しておられましたから、写真も残っている可能性がありました。

ただ、この日はそれどころではなかったのです。湊小でお手伝いをすることが決まったのもこの日の朝「明友館」に伺ってからのことでしたし、1日中の掃除のあとコンサートの開催を知ったのが開演直前でしたから。。そのうえ、ぬえの限られたスケジュールではこの日には石巻を出て、もうひとつの目的地である気仙沼に向かわねばなりませんでした。

コンサートが終了して住人さんとも親しくお話をさせて頂いてから、小栗さんと名刺を交換し、「チーム神戸」にもご挨拶をして、午後8時近くになってあわただしく気仙沼に向けて出発。。このときはもうビデオのことは忘れていました。(続く)

※紙幅も尽きてしまったので、ビデオを撮影し ぬえに届けてくださったkaori kashiwagiさんにつきましては次回ご紹介させて頂きたいと思います。お待たせしてしまって申し訳ありません。。