ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第14次支援活動<気仙沼>(その17)~東新城オレンジ公演

2013-07-24 02:09:17 | 能楽の心と癒しプロジェクト
このところブログの更新ができておりませんが。。

いま、今週末と、それから8月中旬に迫った石巻市と気仙沼市でのそれぞれの支援活動に向けて、まだまだ交渉を重ねている段階でして。それが、ぬえがこの時期にやりたかった公演を断念することになったり、反面、これまでの活動の中で最大限、地元の住民さんとのコラボとしての活動が実現できたり、さらには ぬえたちプロジェクトが誇る「星と能楽の夕べ」公演に匹敵するんじゃないか、と思うロマンチックな公演が企画されたり、と、一喜一憂。。いや、結果的には一憂の間に三喜びぐらいできるような、うれしい方向に目まぐるしい展開を毎日を過ごしております。

さらには、ぬえたちプロジェクトにとって、活動の根底からの転換を促す大きな大きな提案が持ち込まれまして、これについての可否をずうっと考えておりました。いえ、トラブルではありません。ぬえたちプロジェクトの将来的な活動について、ぬえ自身も漠然と考えていた不安を解消するための提案で。。そうして、進み方によっては ぬえの夢である「復興達成記念薪能」の上演さえ視野に入れられるような、そんな大きな提案でした。まだ交渉段階ではあり詳述は控えますが、様々な方に意見を求め、また当事者とも協議をして、基本的な合意にはすでに達しつつあります。いずれ読者のみなさまにもより良い形でのプロジェクトの発展を報告させて頂くことになると思いますが、そんな事に時間を取られながら、ぬえは活動を続けておりました。

。。さて5月の活動のご報告の続き。

東新城オレンジに到着した ぬえ。この日は、先日 ぬえ一人で参加させて頂いた落成式の延長で、落成記念祝賀能、といった趣の催しです。落成式当日は舞台の都合で参加できなかった笛のTさんを迎えて、ぬえも装束を着けて能を舞う催し。落成式には気仙沼市長さんもお出ましでしたが、今回は身内でこぢんまりと。。と思ったらそうでもなくて、この日は東新城オレンジの建設に大きな寄付をくださったドイツの厚志家の方もわざわざ気仙沼に来訪された日だったのでした。これは良い催しになりましたね~

この日の上演は能『龍田』。外人さんも見えるので、『羽衣』よりも少し派手な曲を選びました。





終演後は例によって装束の着付け体験。このドイツ人の厚志家の方に、まずは狩衣を着付けて差し上げて。。ああ~、やっぱり半切の長さが足りない~



続いて「エッグ」に『羽衣』の着付け。「エッグ」とはネットワーク・オレンジさんが支援する障害児童のうち高学年の子を指す言葉なのですが、見に来てくれた「エッグ」の女の子をめざとく見つけた ぬえは、装束を着付けてみたのでした。



出来上がってみると。。あら、かわいい。



なんかエッグが喜んでいる間に、ネットワークオレンジの代表の小野寺美厚さんにも装束を着付けてみました~。美厚さんです。いやいや、卑弥呼さんじゃありません。







それで、みんなで記念撮影。もちろんここでも「おすまし」ポーズで決めました~~



さてさて、それじゃ、というので、この日は東新城オレンジを退出しまして、笛のTさんを駅まで送り、ぬえは再び一人で帰途に。なんだか。。良かったなあ。今回の活動は。いや、活動自体は ぬえの一時帰京をはさんで実質3日間しかなかったし、活動場所もネットワークオレンジさんの東新城オレンジで2回、あとは鹿折の復幸マルシェさんでの1回しかなかったのだけれども。。志津川や登米市での新しい出会い。それは東新城オレンジでも、はたまたマルシェさんでも。ああ、そうか。いまこれを書いている ぬえが7月下旬だから、感慨深い感想を持つのでしょう。だって、ここで「はじめまして~」とご挨拶を交わした方々との繋がりが、この7月下旬と8月中旬の活動に、すぐに反映されて驚くような発展を遂げていったんだもの。

その内容については、成果が出るであろうそれぞれの活動が終わってから、ご報告させて頂くことになるでしょう。とりあえず、未来に広がった活動は最高に有意義なものになった、と述べさせて頂くことで、今回の支援ツアーのご報告の仕上げとさせて頂きます~

                                        【この項 了】