時間がない中、そこの予定じゃなかったけど、ここで!と立ち寄った出雲の蕎麦屋。
注文して蕎麦が来るまでの時間、活字!と思って手に取った新聞は“朝日”、これしかなかったのと一面に“口座番号 政府が把握検討”という何ともやるせない記事。
その記事は読まなかったのですが、順次めくっていくと“渡辺京二さんを悼む”という前法政大学学長・田中優子氏の寄稿に目が釘付け。
年末に行った福岡のホテルで手に取った新聞の一面に、渡辺京二さん訃報のニュース。
とても寂しい思いをしながら読みましたので、今日の寄稿も老眼鏡がなかったけどザクッと目を通し、途中で寄ったコンビニで朝日新聞を買い込みました。
僕は氏の著作は「逝きし世の面影」を半分くらい読んだだけですが、三砂ちづるの「女子学生 渡辺京二に会いに行く」で、三砂ちづるの学生に接する姿勢と学生に投げかける渡辺京二さんの愛が溢れる言葉に心が揺さぶられました。
以来、三砂ちづるは大いに影響を受け続ける大学の先生であり、思想家・渡辺京二は魂に住み続けている偉大な大先達です。
田中優子氏もこれからの時代を生きる上で、著作を通してとても感銘を受けた方ですから、電気ショックのような、、、
それが、普段新聞は読まない生活なのに、節目とも言える大切なタイミングで出会うとは。
早速、「バテレンの世紀」「黒船前夜」を買い、「逝きし世の面影」とともに読まねば。
田中氏との対談を前にした講演で「人間は土地に結びついている。土地に印をつけている存在である。死んだ人間の思いと繋がっている」と語られたのだと。
田中さんはこの言葉を胸に刻んでいると書いていますが、多くの国民が、このアンカーが切れて浮草のように浮遊すると思える現代、ここが今の日本の抱える様々な問題の根っこなのかもと感じました。