「誰(た)そ彼(かれ)と 我(あれ)をな問ひそ 九月(ながつき)の 露に濡れつつ 君待つ我(あれ)を」
あの人は誰なんだ?何て聞かないで、秋深まる9月の露に濡れながら、あなたを待っている私のことをーー
夕方になると、薄暗さからそこに立っていても誰かわからなくなるので、中世以降、夕方のことを「たそがれどき」と言うようになったとのこと。
それは、万葉集のこの歌の「誰そ彼?」なんですね。
上野誠著「万葉集から古代を読みとく」の冒頭、著者は、新海監督のアニメ「君の名は?」こそこの歌の「誰そ彼?」だと。
歌が語り継がれ、歌い継がれて、日本であれば日本人らしい心象風景が民族の情緒として心に焼き付けられていくのでしょうか。
もう一度「君の名は?」を見たいなあと。
古代の少年
昨日、青谷上寺地遺跡を訪ね、1800年前の少年に会ってきました。
彼の頭骨には2カ所ほど穴が開いていました。
200体近くの人骨が散乱する中で、19体は殺されたであろう痕跡があったとのことで、そのうちの一体が彼だったのかなあ?
学芸員の方から、殺されたであろう人たちは1800年ほど前、同じ時期だったと教えて頂きました。
ちょうど、記紀で書かれる国譲りの時代、弥生時代の終わり頃で田和山遺跡で殺傷された人骨と同じような時期だったのでしょうか?
大国主と八上姫とのロマンス譚があるように、因幡・伯耆の地は出雲との強い結びつきがあったのだろうと思うと感慨深いものがありました。
古代は面白い
弥生の時代の出土品、鉄器や盾などは縄文にはなかったものですし、準構造船のように鉄器出現で大きく進化したものもありますが、道具類は縄文と大きな変化はないように感じます。
大きな変化とすると、おしゃれにこだわった?特に宝飾品は種類も数も格段に増えていますね。
土器などは様式の変化(強度も含め)はあるけど、用途などの基本は大きく変わっていないのかな?
ただ、文様や形へのこだわりは縄文は凄いし芸術家揃い!
ってなことを勝手に想像して楽しんできました。古代は面白い!