一昨日書いたブログ「月母神の胎内」は、高良留美子著「花ひらく大地の女神」で感じた個所を紹介したものですが、他にも痛く感じるところがありました。
読み始めた時には、いつ閉じようかと思いながらだったのですが、今は、買い求めて手元に置いておきたいなあと思ったり。
事実関係が違うのではと思う所や、話をそう展開させるのか、と思う所もありますが、月母神をテーマとし古代からの女神信仰・女系制の系譜が語られていて、これは!!
縄文中期末、月母神の胎内を思わせる住居や集落に、男根を思わせる“陽石”が出現することで家族の捉え方が変化し〈対偶婚家族〉の存在が感じ取れると。
対偶婚?女性史研究家の関口裕子によれば、
現在私たちが行っている単婚(一夫一婦制)より一段階前の結婚で、一応一夫一婦の一対の夫婦関係は成立しているが、①それは夫以外の男との関係を妨げず②その関係は永続きしない、というものである。この対偶婚の特徴は①排他的同棲の欠如、②当事者の気の向いている時だけ継続する結婚と言える。
この二大特徴が、古代の恋愛や結婚の在り方を規定している。と。
また、「古事記」の系譜とその断片をつぶさに研究した中山千夏は、「男性本位ではあるけれど、殆どの系譜は準女系系譜とも見える両系系譜である」と。
そして、「男系系譜ではなく女系系譜、少なくとも両系系譜が和人古来の伝統であり、記紀以前にはそれが和人の風習だったが、そこに記紀が男系主義による系譜を率先して打ち出した」と結論付けていると。
僕は、縄文中期の如く住居や集落が子宮をイメージして作られ、時代が下っても対偶婚家族意識や少なくとも両系系譜社会だったことは自然と人との関係、人と人との関係が今よりはずっと良かったのではないかと思えてなりません。
男系系譜社会は、コミュニティを守る意識も高かったでしょうが、俺が俺が社会に陥りやすかっただろうなあと。
自分に闘争心がないから、暢気に言っていられることかもしれませんが、、、