1
影響力の大きい人がいる。影響力が小さい人もいる。世の中には活動家と非活動家がいる。半分ずつくらいに分かれている。でも、比較は出来ない。よい方に働く影響力だけではないからである。
2
波の高さが高ければ、波底の低さもそれだけ低くなる。大波になる。大波が荒れた波になることもある。思わぬ余波を蒙って船が沈没させられてしまうこともある。結果的には、片方が無意識加害して片方が無意識被害を受けることもある。
3
影響力が大きいからといって、だから、驕ってはならない。小さいからといって卑下をすることもない。
4
ただ単に売名家で、大向こうを張る自己主張が強いだけということもある。
5
世の中を動かすことが悪いのではない。そういう派手な立ち回りを得意とする人がいるので、政治が功を奏したということもある。
6
だが、派手でなくともいいのである。
7
人間救済、国民救済の役目を、神さま以上仏さま以上に発揮しなくていいのではないか。
8
原爆だ水爆だと騒ぎ立てて、実験成功を国の外交カードに使わない方がいいのではないか。一国の独善を押し進めればわれらが地球の存続だって危うくなりかねない。領土拡充を押し武力行使に出て、国民の支持を取り付ける大国指導者も居る。
9
坐禅道場では畳一畳が一人の生活の場である。ひたすらこの広さを守っていることも崇高なことなのである。
10
一人が強がって100人分、1000人分の畳の広さを我が広さにすれば、それだけの人が居場所を失うということだってあるのである。
11
非活動家の隠者は、己の居場所をできるだけ小さくして生きることをよしとしていた。それで足りていたようである。
12
毛虫の体は小さい。それだけ食い荒らす食糧も少なくてすんでいる。テリトリーの狭い分はそれだけ広く「盗まず殺さず侵さず」が実現する。
13
大きいことはいいことだ、でもない。強いことがいいことだ、でもない。侵略が正義でもない。
14
それで鼻息を荒くすることもあるまい。
15
こころの平和だけで平和に暮らしている人だっているのである。