5
黴が生えてものが腐る。もしそうならなかったら,人類にそれを乗り越えて行く智慧が授からなかったはず。貨幣経済のシステムも実現してこなかったはず。現代社会を呼び寄せないでも暮らして行けたはず。
などなど、今日は暇にまかせて考えた。雨降りで外には出ていけない。
その推移の様、原因結果論は、しかし、そんなに単純ではなかったにしても。
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黴が生えてものが腐る。もしそうならなかったら,人類にそれを乗り越えて行く智慧が授からなかったはず。貨幣経済のシステムも実現してこなかったはず。現代社会を呼び寄せないでも暮らして行けたはず。
などなど、今日は暇にまかせて考えた。雨降りで外には出ていけない。
その推移の様、原因結果論は、しかし、そんなに単純ではなかったにしても。
4
狩猟から農業への暮らしの転換が起こったら、そこで保存法が大きく飛躍したことだろう。麦も米も蔵に入れて何年でも保存できるのだから。その代わり、その保存法に秀でた者とそうでないものとに貧富の差が生じたことだろう。途中でそれを売り買いができる、そこから経済社会が発生しただろう。智慧を使うものが、<貨幣と交換して価値を保存する>という安易な方便を思いついただろう。
3
食べ物自体が現代ほど豊富に出回っていなかった頃、遠い祖先に当たるかっての日本人達は、その僅かな食べ物の配当分をどうしていたのだろう。胃の中に収めてしまえば腐らない。だったら、とにかく手に入れた食べ物はその時にたらふく食ってしまう。後はひもじさを我慢する。空腹状態を堪え忍ぶ。水を飲んで忍耐に忍耐を重ねる。そんなふうにしていたのかもしれない。それに耐えられるような体質だったのかもしれない。
2
折角、それが目の前に列んでいても、黴が生えているものには食指が動かない。おいしいものであればあるほど、残念な気持ちになるだろう。腐敗を防ぐにはどうすればいいか。砂糖甘くするか塩辛くするか、酸っぱくするか、カレー粉をふんだんにまぶしておくか、胡椒の力を借りるか。乾燥させておくか、凍らせておくか。冷たい洞穴に置いておくか。熱処理をして真空パックにするか、腐敗防止剤を使うか。お婆の智慧の知恵比べをしたことだろう。
1
拾って拾って集めた桑の実が一日一夜で黴を生やしていて捨てることになった。水洗いを丹念にして、丸い平たい大きな竹篭に干して、ドライフルーツを作ろうとしていたのだが、日に当てる前段階ではや失敗に終わった。がっかりした。食べ物の保存は難しい。
小雨の中、傘を差して、北の畑に行って来た。昨日植えた細長い西瓜の苗と様々な種類のカシウリ4株、それにラグビーボール型南瓜苗が気になっていた。すぐに虫の被害を受けるからだ。たった一時で穴あき葉っぱになってしまい、ついには息の根を止められてしまう。それを阻止しなければならない。噴霧器で殺虫剤を降りかけ、さらに根元に殺虫剤のオルトランをばらまいた。これでよし。一安心。雨が止んだらもう一度殺虫剤を噴霧してあげよう。愛情を掛けなければ畑の植物は育たない。植えなければこんな雨の日に外に出て仕事をすることもないのに。一苦労する。しかし、苦労を伴わない愛情などあるまい。ま、苦労といっても、これくらいは楽な方だろう。緑陰の辺りにシジュウガラが頻りに鳴いている。田圃に水が入り出したのか、蛙もゲコゲコ鳴いている。
小雨になっている。7時かっきりに従姉妹が蓬団子を作って持ってやって来た。まだ布団の中にうつらうつらして居た。玄関に大きな声を聞いて、慌てて飛び起きた。久しぶりに会った従姉妹は、顔色もよくて元気そうで、安心した。お仏壇に供えた後で、さっそくがぶりと食らい付いた。小豆餡子がたっぷりだった。さすが腕利きの料理人。蓬がたくさん使ってあって濃緑色で艶々輝いていた。ほどよい甘さだった。積もる話が吐露された。うんうんそうねそうねと聞いた。これからあちこちに配って回るのだそうな。待たれているのだそうな。さもあらんさもあらん。とにかくおいしいのだ。こちらもいろいろ用意していたものを差し上げた。蓬団子もおいしかったが、元気な顔を拝めて嬉しくなった。従姉妹はわたしよりも2歳年上。檀那さんを早くなくして,その後、看病疲れもあったのか病を得て長期入院していた。その病気も乗り越えた。小さい頃よく遊んでもらった。いまでも「お姉ちゃん」としか呼べない。
無用なるをのこの乳首 不自然なようで自然でなにくわぬ顔
☆
どうしてそこについているんだろうなあ。なにくわぬ顔の顔をよく見ると笑える。
☆
でも、ないと、のっぺらぼうになって、それはそれで落ち着かないだろうなあ。
☆
じゃやっぱり、それなりの用があるのかなあ。誘惑の用には立っていないけれど。
☆
宇宙基地かもしれない。通信用レーダー装置があるのかもしれない。
詩「燦々としたよろこび」 薬王華蔵
現在が現在で完了している/わたしの現在が完了している/わたしのかなしみが完了している/わたしのくるしみが完了している/現在が現在で完了している/わたしの今日の日に降る/燦々としたよろこび/燦々としたよろこび/
峯の色渓の響きも皆ながら我が釈迦牟尼の声と姿と 道元禅師
峯峯は釈迦牟尼仏の化身化仏である。渓の響きは釈迦牟尼仏の説法される声である。
☆
いま我は逃さず是を見、是を聴く。
説法は、「爾、ただいまここに於いて仏と成れ」と勧めて来る。勧めに応じて瞬時に我は仏と成る。仏の目を以て峯を見、仏の耳を以て渓の響きを聴く。
☆
春は花 夏ホトトギス 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり 道元禅師
年中、清々しく仏の法を聴いて過ごす嬉しさ。我はこの時、無上尊なり。