安堵したい。
不安を除去して、安堵したい。安堵して一日を過ごしていたい。
そうであるのに、不安が脇の下から滑り込んで来る。
「ほんとうにそれでいいのか?」と尋ねて来る。「何か足りないんじゃないのか?」と攻めて来る。
そうすると、返答ができなくなる。「これでいい」「足りないものはなにもない」という返答ができなくなる。
何か足りないように思えて来る。不安が芽生えて来る。
クエスチョンがいたずらをして来る。幾つも幾つも。
知らんふりをするのが一番だが、これに付き合ってしまう。
*
と、足下が揺れる。不安神経症患者になる。
愚かなことだ。
*
これでいい。足りている。そういう答えを出して、平然としていたい。平然として、胸を張って、一日を終わりにしたい。