かなしみの海のふかさに照らさるる高き空ありたかき空あり 薬王華蔵
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現象世界では空が海を照らしているが、もう一つの世界では逆のことが起こっている。空が海に照らされている。其れは何故か。そこが人間の悲しみの海だからである。深い悲しみの海だからである。これだけ深くなると悲しみの海は光るのだ。空の雲に返照されて雲が赤く染まっている。高いところへ上って行くとそこもますます染まっている。そこはもう神さまの世界なのだけど、そこでもやはり人間の悲しみの深さによって発せられた光によって明々と染まっている。
そういうことがあり得ているような気がする。人間の底知れない悲しみに神さまが感応されないはずがないからである。
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