旬:4~6月 讃岐に春を告げる魚。愛され、守られる香川県民の宝
プライドストーリー:古くから香川の地になじみ愛され続ける魚です
讃岐に春を告げる魚として香川県民に愛されているサワラ。小さい時はサゴシやヤナギと呼ばれ、成魚になるとサワラと呼ばれ、スマートな体系に鋭い歯、鋭角なひれが特徴です。
サワラは、4月から5月にかけて産卵のために太平洋から瀬戸内海に入ります。産卵は5月から6月で、生まれた稚魚は11月頃まで瀬戸内海で成長し、その後外海へ。翌春、再び瀬戸内海に帰ってきます。
身は柔らかく、癖のない上品な白身。そのため白身魚と思われがちですが、成分値やサバと近縁であることから赤身魚に分類されます。
香川県の農村部には、空豆に実が入り、麦が熟れはじめる頃、親戚の人たちにサワラ料理を振る舞う「春祝魚(はるいお)」という風習があります。ひと昔前では、若嫁さんに大きなサワラを1本持たせて里帰りさせる光景が見られたほど、サワラは香川の地に根付いた魚です。
香川県民に愛されているサワラですが、漁獲量は1986年の1,075tをピークに減少し、1998年にはその2%である17tまで減少しました。そこで、県下の「さわら流しさし網漁業者」が中心となり、サワラ資源管理のため、様々な努力に努めました。網目の大きさ制限や秋漁の休漁、さらに種苗の生産や放流にも取り組みました。その成果が実り、2014年には600tを超えるまでになりました。
水揚げ漁港や漁法:サワラの習性を利用した伝統的な漁法。首輪のような線はさし網漁の証です
香川県海域では播磨灘、備讃瀬戸、燧灘の全海域で漁獲されます。主なサワラ漁法は近世はじめから続く伝統漁法である「流しさし網漁業」。サワラの流しさし網は、長さ600m~1500m、高さは8m~24m。海面から1m~15m下に網の上辺がくるように沈めます。サワラは高速で泳ぐことができる魚のため、サワラの行く先に張られた網に高速で突き刺さり、からめ獲られます。そのときに体に首輪のような1本の線が入り、これが流しさし網で漁獲された証となります。
香川県では、海域ごとに漁獲期間を設けています。
サワラ漁許可期間
播磨灘 4月20日~7月15日、9月1日~11月30日
備讃瀬戸 4月25日~7月20日、9月1日~11月30日
燧灘 4月20日~6月15日、9月1日~11月30日
(サワラ資源を保護するため、9月の1ヶ月間は休漁しています。)
*プライドフィッシュHP より
香川の「鰆」を使った郷土料理と云えば「押し抜きずし」。
さわらの酢じめと空豆、たまご焼き、さんしょ、間にはたけのこやふきなどの春の味覚をはさみ、型に入れ押し出す。そのやわらかな色合いが春の訪れを告げる。郷土食豊かな讃岐の味として親しまれている。*https://gurutabi.gnavi.co.jp/i/i_1118/ 旅ぐるたび より