「柳ばっと」
主な伝承地域 県北地域
主な使用食材 そば粉、木綿豆腐、にんじん、大根、ごぼう、しめじ
歴史・由来・関連行事
岩手県北部は冷涼な気候で米が育ちにくいため、厳しい環境でも育つヒエやアワ、そばなど雑穀の生産を続けてきた。そのため雑穀を使った料理が多く生まれることとなり、そば粉を使った「柳ばっと」はその一つ。
江戸時代に当地を治めていた南部藩は、細切りの蕎麦は切るのに手間がかかり贅沢であるとして、農民が細切りのそばを食すことを禁止していた時期があった。人々はそば粉で柳の形の団子を作り「これはそばではない、柳ばっとである」と言ってそばを食し続けた。
料理名の「柳ばっと」の「柳」は食材の形から、「ばっと」は、禁を犯した「法度」からきていると言われる。食材が柳を模しているのは、柳は春先に一番早く芽吹き、秋には一番遅く枯れるため、元気で長生きするようにという長寿の願いを込めていると言われる。
地域によって柳ばっとう、柳葉、柳だんご、すりだんごなどとも呼ばれている。もちもちと歯ごたえのある食感だ。
食習の機会や時季
冬の栄養源として、また体が温まる食べ物として食される。細切りのそばを打つより簡単なため、夕食が足りない時などに気軽に作って食べられたという。
飲食方法
そば粉をこねたものを、真ん中が膨らんだ柳の葉の形にし、大根、にんじんなどの野菜やきのこをたっぷり入れたしょうゆ味やみそ味の汁で煮る。現在は鶏肉も入れるようになり、若い人にも人気の料理となっている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
店舗で提供されるほか、手軽に作れる岩手の代表的な食べ物として、体験学習や体験ツアーで作られることも多い。 岩手県が、郷土料理を伝承する「岩手県食の匠」を認定しており、「柳ばっと」についても「岩手県食の匠」がいる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/28_7_iwate.html より
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