「鷹乃学習-たかすなわちわざをならう」
『鷹乃学習』は、5月〜6月にかけて孵化したタカのヒナが、飛び方を練習するという時季。巣の中でバタバタしてみたりちょっと冒険してみたりしながら、巣立ちに備えます。
食物連鎖の頂点にいるタカとしては、「飛ぶ」イコール「獲物を捕る」! つまり、生きるためのわざを習うのですね。
では、タカのエサ捕り学習が、なぜ人間の暦に登場するほど重要なのでしょう?
それは世界じゅうの王様の食卓を支えていたからです。タカやワシなどの猛禽類は、鉄砲がない昔から カモやキジやハト、ウサギやタヌキまで調達してきました。また『鷹狩り』は高貴な方たちのスポーツであり、日本では儀式のための獲物を捕るにも欠かせない存在でした。鷹匠(たかじょう。タカを使って狩りをする人のこと)は、戦後まで宮内庁に所属していたのです。
タカ目をざっくり大型順に並べると、ワシ・タカ・トビとなります。
『トビ(とんび)がタカを産む』とは「平凡な親から優秀な子が生まれる」という諺。トビは獲物を押さえ込む力が弱いため、高い場所から死骸や生ゴミや油揚げをみつけて食べることが多い雑食なのです。ピーヒョロ〜と飛ぶ姿も、なんとなくのどか。対してタカは、自分より速くても大きくても重くても捕る、というくらい徹底した肉食のハンターです。その習性と能力を、人間が狩りの道具として利用したのが『鷹狩り』。「キツネ狩り」や「イチゴ狩り」と違って、タカは狩りをする側です。そんな事情が「タカはトビより優秀」とされた理由かもしれませんね。
*https://tenki.jp/suppl/usagida/2015/07/18/5131.html より
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