「ごまご飯」
主な伝承地域 津軽地方
主な使用食材 もち米、黒ごま
歴史・由来・関連行事
江戸時代のはじめから大規模に新田開発がなされ、多彩な米料理が発達した津軽地方では、いろいろな具を入れて醤油味にしたごはんのことを「色飯」や「色ごはん」と呼んだ。「ごまご飯」「ごままま」もその一つだ。真っ黒な色になることから、仏事や精進日といった「ケの日」につくって仏壇に供えた。一方で、砂糖を加えて甘くつくり、田植えや神社の祭りなどの際に赤飯の代わりにつくる地域もある。ごまだけのものは「ごままま」、栗入りの豪勢なものを「栗入りごままま」と呼んだ。
食習の機会や時季
仏事や祭事に振る舞われることが多い。また昔の田植えは大勢の人を集めて二日、三日がかりでおこなっていたが、前日から女性たちが寝ずに、ごまままや赤飯をつくったものだった。おにぎりにして田んぼへ持って行き、作業の合間に食べた。また砂糖は大変な貴重品で、おもてなしのために借金してまで買うといわれ、特別な席にはたっぷりの砂糖で甘くしたごまままが振る舞われた。また旧暦9月9日の重陽の節句には酒の盃に菊の一枝を乗せて神棚に捧げる習慣があり、このとき栗入りのごまご飯も一緒に供えたという。
飲食方法
津軽地方の色飯は種類が豊富で「ごまご飯」の他にも、たけのこ飯、小豆飯、黒豆飯、赤飯などがあった。もち米だけでつくったり、もち米とうるち米を混ぜてつくったりする。「ごまご飯」は、よく炒ってすった黒ごまを米に混ぜて炊きこむ。すり鉢にごまが残らないよう水を回し、炊き水に加えた。湯気にのってあがる香ばしいごまの香りと旨味がごちそうで、昔から子どもたちの大好物である。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
官民一体で取り組んでいる、多様な食文化を次世代へ伝えようとウェブサイト「津軽料理遺産プロジェクト」でも、「ごまご飯」が紹介されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/goma_gohan_aomori.html より
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