「猩々 しょうじょう」
猩猩(しょうじょう、猩々)は、古典書物に記された架空の動物。
能の演目である五番目物の曲名『猩猩』が有名であるが、中国の海棲の精霊と言う設定の猩猩(後シテ)が、真っ赤な能装束で着飾り、酒に浮かれながら舞い謡う。
本来は中国の古典書物で、人語をあやつる、または解する獣とされ、酒を好むという記述も古い。海棲と言うのは日本独自の設定である。
『本草綱目』(1596年)では猩猩は中国属州交趾郡(ベトナム)産の野獣とし(現代訳ではオランウータン種に同定)、人面獣身で、地毛は黄色である等とまとめるが、その血でもってその毛皮を染める風習が西胡地域にあったと述べている。
概説
正しくは「狌狌」とつくり、哀牢(中国語版)(現今雲南省の民族名。シャン族、タイ族)の地や交趾(コウチ)(ベトナム)に棲み、毛色は黄色で声は子供のようだが、時に犬が吼えるように振る舞い、人の言葉を理解し、人の顔や足を持ち、酒を好む動物とされる。このように明朝の『本草綱目』に詳しいが、これは古代や唐代の文献などからの内容が編纂されている。
毛色や棲んでいるとされる地域など伝承の違いがあるものの、日本の猩々への印象と大まかに共通している。しかし、中国の書物に記される 一説では豚に似ている、あるいは犬に似ているなど、姿や特徴に幅があり多様な生き物となっている。
『本草綱目の』「猩々」の項の現代訳では、オランウータン種に同定している。
猩々が海に棲むというのは、能楽などでの日本特有の設定である。
転義・名祖
能の印象から転じて大酒家や赤色のものを指すこともある。
生物の漢名・和名として
オランウータンの漢名としても使われたのに合わせてチンパンジーの和名は黒猩猩(くろしょうじょう)、ゴリラの和名は大猩猩(おおしょうじょう)とされた。これらは日本でも使われることがあった。
また、ショウジョウバエは、酒に誘引される性質から猩猩になぞらえて名づけられた。他にも赤みの強い色彩を持つ生物には、しばしばショウジョウ……の名が付されることがある。
*Wikipedia より
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