ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

統一教会と自民党 - 6 ( 立憲民主党の支援組織 )

2022-08-03 20:31:51 | 徒然の記

 前回は、江田氏の著書から自民党議員の「後援会」の説明を紹介しました。

 「自民党の場合、後援会というのは利権の統合である。」

 「後援会の人々は、その議員がいることによって利権の構造を築いているのである。その議員が死んだ場合、利権の構造をこわさないように、どうしても後釜に誰かを据えなければならない。」

 「縁もゆかりもない者を据えれば、後援会は機能せず分裂解体してしまう。いちばん座りのよいのは、先代の妻や子供である。後援会にとっては、二世がどうしても必要なのだ。」

 野党の後援会は、「反日左翼」の思想でまとまる団体なので、自民党の後援会とは別物です。自民党の後援会は、参加している個人の利益が優先しますから、「憲法改正」「皇室護持」「安全保障」は、何か具体的な儲け仕事に結びついかない限り話題になりません。
 
 後援会の主要メンバーに、市会議員、県会議員もいますが、彼らの選挙ポスターを見ますとほとんどが自民党の名前を書いていません。
 
 「みんなに投票してもらうためには、特定の政党名はいらないんです。地方の問題に、政治信条は関係ないでしょう。日々の暮らしの問題ですからね。」
 
 自民党の主催する講演会に出席した時、世話をしている市会議員や県会議員と雑談をした時、彼らが言った言葉です。これが自民党の地方議員たちかと、情けなくなった記憶がありますが、江田氏の説明を読みますと、どうやらこれが実情らしいと分かりました。目の前の儲け話も大切ですが、自民党の議員が国の未来や、国難のことを後援会で話さなくてどうするのでしょう。
 
 長い積み重ねがありますから、自民党議員の後援会を、政治信条も語る組織に変えるのは至難の業です。だから私は、これを自民党の宿痾と呼びます。江田氏は左翼政治家ですから、自民党のような後援会に無縁なので、明快に説明しました。
 
 しかし反日左翼の野党政治家にも、自民党に負けない宿痾がありますので、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介します。代表的な野党として、立憲民主党と共産党について資料をもとに説明します。これからやろうとしているのは、両党を支援している組織にどのような団体があるかの紹介です。
 
 文章でなく、団体名の表示が続きますので、退屈されるのではないかと心配しています。自民党だけが問題でないことを知ってもらうには、私がまずこの単調な作業に退屈しないことが大事です。
 
 〈 1.  立憲民主党の支援団体一覧 〉
 
 一番大きな支援団体は連合(日本労働組合総連合会)で、加盟組合員数は約700万人です。立憲民主党だけでなく、国民民主党も支持していますが、間違いなく巨大支援組織です。これらの組織名を、以下に紹介します。
 
  ・自治労、JP労組、日教組、情報労連、私鉄総連、
 
  ・全国労働組合連絡協議会、全日本港湾労働組合、全日本建設運輸連帯労働組合

  ・日本民主教育政治連盟

  ・日本弁護士政治連盟、日本弁理士政治連盟、明日の自由を守る若手弁護士の会

  ・全国土地家屋調査士政治連盟 日本行政書士政治連盟、日本貸金業協会

  ・日本薬剤師連盟、日本作業療法士連盟、

  ・JAグループ、JA全漁連、タバコ業界の各団体

  ・酒類業中央団体連絡協議会、全国生活衛生同業組合中央会、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会

  ・パチンコ・チェーンストア協会、ティグレ協会、SWASH

  ・労働者福祉中央協議会、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、きょうされん、日本協同組合連携機構

 〈 全国で活動する市民団体 〉

  ・安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

  ・戦争させない・9条壊すな ! 総がかり行動実行委員会

  ・安全保障関連法に反対する学者の会、安保関連法に反対するママの会

  ・立憲デモクラシーの会 (  SEALDs  )

  ・フォーラム平和・人権・環境とその協力組織

  ・部落解放同盟、女性会議、全日農、日消蓮、原水協、日音協など

  ・九条の会、映画人九条の会、宗教者九条の会、農林水産九条の会、九条科学者の会、九条美術の会、芸人九条の会、マガジン9など

  ・在日本大韓民国民団、レインボー国会、のりこえねっと、アジア自由民主連帯協議会、さようなら原発1000万人アクション

 〈 地域的に活動する市民団体 〉

  ・戦争させない市民の風・北海道、市民と野党をつなぐ会 @東京、首都圏反原発連合

  ・信州市民アクション、関西四葉連絡会、ALLかごしまの会、オール沖縄

 〈 宗教団体・思想界 〉

  ・立正佼成会 ( 新宗蓮  ) 、全日本仏教会 ( 浄土真宗本願寺派  )

  ・社会主義協会、日本会議 

〈 全国的に活動する政治勢力 〉

  ・緑の党グリーンズジャパン、新社会党、

  ・全国市民政治ネットワーク ( 生活クラブ生協連合会の政治部門  )

    市民ネットワーク北海道、東京・生活者ネットワーク、神奈川ネットワーク、市民ネットワーク千葉県、埼玉県市民ネットワーク、つくば市民ネットワーク、とりで生活者ネットワーク、信州・生活者ネットワーク、ふくおか市民政治ネットワーク、

〈 地域的に活動する政治勢力 〉( 地方政党、地方議会の会派 )

  ・沖縄社会大衆党  信州政治  新政あいち 新政みえ

  ・チームしが  結集ひろしま  県民クラブ ( 大分  )

  ・新しい風・にぬふぁぶし ( オール沖縄に参加する、市町村議員がつくる政策集団)

  スペースがなくなりましたので、立憲民主党の支援団体に関する私の意見は、次回といたします。

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統一教会と自民党 - 5 ( 後援会の役割 )

2022-08-03 13:46:51 | 徒然の記

 前回江田氏の論文と紹介しましたが、調べてみますと論文でなく、氏の著作でしたので訂正いたします。

 昭和60年に講談社現代新書として出版された、『国会議員』からの引用でした。後援会がどのような役割をしているのかが、よく分かります。江田氏は社会党副委員長だった江田三郎氏の子息で、参議院議員から衆議院議員となり、法務大臣を務めた人物でしたが、故人となられていたとは知りませんでした。

 そうなりますとこの説明も、氏が私たち国民へ遺した言葉になりますから、自民党の議員でないとしても襟を正して読むことにします。

 〈 2. 江田五月氏 「お世継ぎ議員」 〉

 「参議院の通常選挙の半年後、私が衆議院に初当選した第37回総選挙が行われた。私自身の選挙活動については章を改めるとして、ここで衆議院の選挙のことを少し見てみよう。」

 章の書き出し部分ですが、当時の選挙状況が分かりますので、横道へ逸れますがそのまま紹介します。

 「総選挙は、公職選挙法改正で選挙期間が短縮されたため、〈現職有利、新人不利〉といわれた。ところがフタをあけてみると、新旧交替の傾向が強く出た。」

 「前議員の引退や死亡が52人もいたせいもあるが、新人の84人当選というのは、前回の35人と比較すると約二倍半である。84人の内訳は、自民23人、新自由クを含む野党61人であった。」

 「私は六年間の参議院議員経験を持つが、衆議院は初当選なので〈新人〉として多くのインタビューを受けた。たが今回の選挙では、私はマスコミで〈二世議員〉の扱いをほとんど受けなかったようだ。」

 父親の江田三郎氏は、参議院議員2期、衆議院議員を4期務めた社会党の議員でしたから、本来なら二世議員ですが、マスコミの扱いはそうでなかったようです。

 「政界では、選挙に有利な条件として、三バンというのがある。ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)の三つのバンである。地盤とは、業界や労組や後援会のような力のある組織のこと。看板とは、知名度。鞄とは、豊富な資金源あるいは集金ルートのことだ。」

 三バンという言葉も当時は流行りましたが、今はあまり聞きません。しかしこの説明の部分から、「後援会」の役割が述べられていきます。

 「二世議員に代表されるいわゆる〈世襲議員〉は、この三つをそっくり先代から受け継ぐから、きわめて有利というわけだ。」

 「ところが私の場合は、江田三郎という大看板を引き継いだということでカンバン、つまり知名度の点では二世の恩恵まことに大だが、父の死は選挙の六年も前だし、父の選挙区は岡山二区で、岡山一区の私と選挙区も違い、資金源はまことに細々とした野党議員だから、ジバン、カバンの恩恵は他の二世とは比較にならない。それで、二世扱いはそれほどなかったのだろう。」

 私が自民党の宿痾とよぶ「後援会」について、以下氏が要領よく語っています。

 「世襲議員は、圧倒的に自民党に多い。自民党の場合、後援会というのは利権の統合である。」

 「後援会の人々は、その議員がいることによって利権の構造を築いているのである。その議員が死んだ場合、利権の構造をこわさないように、どうしても後釜に誰かを据えなければならない。縁もゆかりもない者を据えれば、後援会は機能せず分裂解体してしまう。いちばん座りのよいのは、先代の妻や子供である。後援会にとっては、二世がどうしても必要なのだ。」

 「たとえばここに、ある土木会社(土木建築業は特に政治と密接なつながりがあるのだが)があるとしよう。高速道路を作ったり公共施設を建てたりする仕事があると、それを請負う業者が必要となる。この土木会社が自社と非常に関係の強い議員を持っている場合、その議員を使って仕事を請負おうと画策する。」

 「土建業者はその下に、膨大な下請けや材料供給の業者等を抱えている。関連業者をも含めた土建業者にとっては、企業の体質からしても、この軍団のために仕事をする国会議員は必要不可欠だ。そこでそのために働いていた代議上が死んだり引退したりした場合、どうしても次の者を必要とする。死活問題となるのだ。」

 「利権の構造も人のつながりであるから、後釜に先代と緑もゆかりもない者を据えれば、そのまま維持することはできない。これまでのつながりをそのまま維持し続けるために、どうしても妻や子供でなくてはならない。」

 「それがだめなら、あえて養子縁組したりして二代目をつくりあげる。秘書というケースもあるが、何といっても血縁がいちばん良い。秘書だと、やっかみなど人間の複雑な感情がからんでしまう。」

 「もっとも血縁同士でそれこそ血で血を洗うケンカをする人もいるが、名前まで先代と同じ名前に変える人もいるのだから、政治家の一統は一種の銘柄ともいえる。〈お世継ぎ〉と呼ばれることもあるようだ。」

 この説明は二世議員だけでなく、多くの自民党議員の後援会組織をよく説明していると思います。前のブログで、議員は地元の選挙区に、多くの「後援会」を作り束ねていると説明しましたが、江田氏が述べているのは、その後援会組織のトップに位置づけられている「後援会」です。

 私の言う「宿痾」が語られていますが、ここでやめますと、息子たちや「ねこ庭」を訪問される方々を、失望させるだけで終わることになります。政界の宿痾は自民党だけでなく、野党にもあることを次回は説明いたします。

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統一教会と自民党 - 4 ( 「120万党員獲得運動 」 )

2022-08-03 08:09:59 | 徒然の記

  私は自民党にある「後援会」組織について、何も知らなかった訳ではありません。議員を支援する組織として「後援会」があるのは聞いていましたが、具体的な中身について注意を払いませんでした。

 今回統一教会問題をきっかけに「後援会」について知り、以下の推測を立てました。

 ・自民党の党員募集で党員になったけれど、新田氏が自民党の日常活動に参加できなかったのは、「後援会」組織と無縁だったからではないか。

 ・もしかすると自民党内には、自民党政治の中心的な組織である「後援会名簿」と、党員募集で集められた「党員名簿」という、二つの名簿が存在しているのではないか。

 ・新田氏は、中心組織の「後援会」に参加していないため、日常活動への案内が来ないのではないか。

 議員は沢山の後援会組織を持ち、ここを中心に駆け回っているのだとすれば、新田氏が無視される理由が納得できます。

 私は党員募集で集められた「党員名簿」について、平成28年5月14日の産経新聞と毎日新聞の記事を見つけました。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に、産経新聞の記事を紹介します。

 「自民党は平成26年1月、当時の石破茂幹事長が野党時代に約78万人まで減少した党員数の回復を目指し、〈120万党員獲得運動〉を始めた。」

 「27年末までの2年間に、党所属議員1人あたり原則1千人以上の党員獲得を指示した。ノルマ未達の場合は1千人に満たない不足党員数について、1人原則2000円の罰金を科すことも決めた。」

 「関係者によると、2年間の運動期間で、衆院選挙区支部長279人中、57%に相当する160人がノルマを達成できなかった。参院の選挙区支部長も86人中39人が未達に終わった。」「ノルマ未達」議員には200万円近い罰金の請求書が届くケースもあるという。」

 記事には、ノルマを達成した議員の名前と獲得党員数が書かれていました。

  野田毅党税制調査会最高顧問(熊本2区)・・・3574人

  安倍晋三首相(山口4区)       ・・・1499人
 
  谷垣幹事長(京都5区)        ・・・1170人
   
  二階俊博総務会長(和歌山3区)    ・・・ 2877人
 
 この時から「党員名簿」が大幅に補強され、現在まで続いているのだと思います。懸命に党員獲得に走ったのは議員だけでなく、地元後援会の事務局とそのメンバーでした。 
 
 「知らないうちに、党員になっていた。」「党費は、払っていない。」
 こういう話が、ちらほらニュースになりましたが、党を挙げての活動で罰金まで課されるのですから、議員の後援会事務局は有力者に党員集めを依頼し、依頼された彼らは家族・縁者、友人知人、取引先関係者、会社の部下など、まとめて勧誘しました。
 
 中には本人に無断で名前を借用し、党費は、後援会事務局と後援会内の有力者が代行という形で支払っていたと、そんなニュースもありました。こうなりますと自民党の各支部にある「党員名簿」は、一部の関係者しか閲覧できないマル秘資料に変わります。筆跡確認できる「入党申込書」が、今も保管されているのかどうかは、関係者以外誰も知らないと聞きます。
 
 重要な行事の通知は、「後援会名簿」に記載された党員だとすれば、新田氏 は最初から計算外ということになります。
 
 「党員名簿」の100万人の中には、誰かが代筆し党費を支払っている幽霊党員が、かなりの数を占めているとも聞きました。 私は国を愛する国民として自民党を支援し、反日野党を、日本をダメにする元凶として批判してきましたから、二つの「党員名簿」を明らかにするには、躊躇いがあります。自民党の欠陥を知らせ、反日勢力を喜ばせる材料になるからです。
 
 誰も指摘しない「党員名簿」ことを、わざわざ「ねこ庭」で取り上げたのは、自民党を攻撃するためでなく、統一教会問題を機に不明瞭な党員を整理し、新田氏のような、本気で自民党を支援する党員を大事にする党になってもらいたいからです。自民党のためボランティアで汗を流し、協力するのは新田氏のような党員であるはずです。
 
 名前だけの幽霊党員が揃っていても、選挙のビラ貼り一つ手伝いません。チラシの配布にも、役立ちません。こんなことをしているから、自民党の議員諸氏は、体を動かして協力してくれる公明党の協力がいるのです。選挙で公明党に助けてもらうから、いつまでも国交大臣の椅子を公明党に渡し、尖閣を守る海上保安庁が中国船を取り締まれません。
 
 次回は、江田氏が「後援会」について述べた論文を紹介します。私のいう「自民党の宿痾」が、さらに明確になると思います。
 
 〈 2. 江田五月 「お世継ぎ議員」 〉
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