アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

人は残虐性を秘めている…

2024年12月01日 | Weblog
 ローレンツ(度々登場いただいております)の説の一つ…

 2羽のハトをカゴ(狭いコミュニテイ)へ入れる。やがてハトはケンカする。一方のハトが、相手のハトを攻撃して殺す。 皮膚を剥ぎ取り、死に絶えた相手の内臓がむき出しになっても、攻撃の手を緩めない。
 その残忍さは、弱い動物(普段戦い慣れていない動物)が備え持つ特性。閉ざされた空間では一層その残忍さが増す。
 つまり、ハトは、けっして平和の使者とか大人しい鳥ではなく、残虐な面を持ち合わせる鳥であるということ。

 これって、長く人生をやっていると、よ~く解ります。
 ローレンツは、「ヒトの本性は、極めて残忍」だとも!
 解ります。闇バイトの実行犯は、90歳を過ぎたご老人をハンマーで殴り殺しますから!残忍なんてもんじゃないかも。

 狭いコミュニティでは、「人は残忍になる」。
 団塊世代がすぐに思い浮かべるのは、「日本赤軍」でしょうか。
 警察に追われていた日本赤軍は、山へ逃れました。その山も次々とベースを変えなければならなかった。なぜなら、地元の人の目に触れるなどして危なかったから。
 榛名ベース→迦葉ベース(かしょう:迦葉山という山がある)→妙義ベース…。
 日本赤軍は、狭いコミュニテイの中で、「総括」と称する内部でのメンバーに対する批判や自己批判を行うようになりました。それが、どんどんエスカレート。
 総括対象者は、暴行され、ついには死者が。
 日本赤軍は、29人のメンバーのうち、2か月で12人を殺しました。ハトのように…。

 遺体には凄惨な暴力や衰弱の跡があり、男女の区別がつかないほどだったという。
 妊娠8か月で、胎児をかばうようにお腹をおさえて死んでいた女性も。死因は凍死で胃の中は空っぽだった。胎児?生きていたはずなどありません。

 角田美代子の尼崎事件。人がすることではない…日本赤軍の殺し方と酷似。
父親が全裸で長女をおんぶして親族の元に「何か食べさせてほしい」と、助けを求めたこともあったという。
 警察は、対応しなかった…。父親も長女も角田に連れ戻されて…酷すぎますよ。

 で、師走となった本日は、何が言いたいか?
 ローレンツが凄いとか、「警察」がよくないという話ではありません。ハトは残虐ぅ…でもなく、日本赤軍でも、角田でもありません。
 孟子です。「なんじゃ、それ?!」ですよね。

 孟子の思想としてもっとも代表的なのは、「性善説」です。 「人間はもともと善い心を持っている」
 ここだけを信奉し、犯罪の犠牲者になってしまうケースが多い。
 近頃また多くなっている。身近な例として
「あんないい子が、闇バイトで90歳を殴り…」

 社会生活において、「人間は良い心を持っている」と考えて行動するのはもちろん良いと思います。
 しかし、「人間には、残虐さの資質が内在する」ことを直視する必要があります。誰しもが、攻撃欲を備えている…。

 なぬ?「つまり、周囲の人間が、いつ牙をむくか注意しながら暮らせって事か?それなら荀子の性悪説じゃないか」って?

 荀子の説はそうじゃなくて、「人間は先天的に悪。善なる行為は教育、学問、修養など後天的な作為によって生ずる」というもの。
「先天的に悪」の部分がなければ、荀子説に賛同しますがね。


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