作家・水上勉氏が1978年に上梓した料理エッセイを原作とした映画。
水上氏は子供の時、禅寺で修行しててそこで精進料理を学んだそう。
精進料理を作りながら、別荘での生活を綴った本。
映画の舞台は長野。水上氏、晩年の生活を脚本化した感じ。
話だけ聞くと地雷臭。しかし、これがまた面白いんですよ。
最近見た邦画の中では一番だと思う。傑作です。
話らしい話はなし。おじいちゃんの田舎暮らし。
ほのぼのしてて良い。監督は中江裕司さん。
普段は沖縄をテーマにした作品をよく撮る監督らしいが。
長野とか、真逆の土地だろうにw ばっちしの仕事ぶり。
主演の沢田研二さん。正直、歌手?ってことだけしか知らない。
この人がまた、凄いんだよな。凄いとしか言い様がない。
存在感というかね。前回見たダンサーインザダークのビョークさんも本職はアーティストですから。
なんかハキハキ喋っててめっちゃ声が聞き取りやすい。腹から声出してる感じ。
ちょっと嘘臭いけど、それがまた良い。役者が本職の人にはない味。
異色と言いますか。とんでもない大型新人の登場ですw
まぁ、それを言い出したら水上氏のことも知らないし。
火野正平さんのことも喧嘩強いとか自転車旅ぐらいしか知らない。知らないだらけの作品。
俺の知らない間に楽しい祭りみたいなのがあって、その後に行われてた余興を、こっそり覗き見たような。
上手い例えが見つからないけどw ただ嫌な気持ちではないかな。
知ってるのは松たか子さんだけ。ご飯バクバク食べる。
この人の食べっぷりも必見ですw
精進料理の何とも言えない魅力。土井善治さんのことも知ってる。
ちょっと塩分過多のような気がするが。雪国だから、こういう献立なんかね。
後半から、主人公が心筋梗塞で倒れ、自身の死を意識し始める。
ここは史実通り。まぁ、現実の方が複雑かつ過酷らしい。
史実の水上氏は訪中の際、文化大革命に遭遇。
拘束を経て帰国直後、心筋梗塞で倒れてしまう。
心臓の三分の二が壊死。目も患い執筆も困難になり。
晩年はかなり壮絶だったそう。ちょっとダンサーインザダークにも似てますかね?
日本映画はマイルドですw
とはいえ、己の死と静かに向き合う。深刻な展開で「こっからどうなるんや?」と構えていたら唐突に終わったw
ここは肩透かしだったかな。まぁ、結局、答えなんてないからね。
誰も知らんでしょ、死ぬことなんて。
生きること、老いること、死ぬこと。
人間、何も学ばず死んでいくんかもな。
何にも知らずに、日々を過ごす。それだけしかないんちゃう?
知ったかぶりかな、俺もw
では、また。