新潟が金沢に勝ったからというだけではなくて、今回のアウェイ金沢遠征はとても心地よく、「あぁいいアウェイ戦だったなぁ」「また金沢の街に来たいなぁ」と感じるものでした。
ボクら夫婦が金沢駅前のビジネスホテルに車をおいて腹ごしらえをし、金沢駅西口のシャトルバス乗り場に着いた時に、彼女とは出会いました。ツエーゲン金沢の赤いユニを身に纏った彼女は、「歓迎★アルビレックス新潟サポーターの皆さま:ようこそ金沢へ」というウェルカムボードを持ってボクら新潟サポを迎えてくれたのです。
「こんなにアウェイのサポを迎えるのは、ツエーゲンにとって初めての経験なんです」「フロントもチームも私たちサポーターも初めてのことなんで、きっと粗相があると思うんですがご勘弁くださいね」そんなトーンで気さくに明るくボクらに話しかけながら、「シャトルバスに乗り切れなくても臨時便は出ずに次のバスまで15分待ってもらうこと」、「タクシーならばスタジアムまで約2000円なので、4人でタクシーに乗れバス料金+200円くらいでスタジアムに早く行けること」など、ボクらに対して心のこもった接待を、彼女はボランティアでしてくださっていたのです。もう、彼女と出会えただけで最高でしたよ。「金沢に来てよかった」と思いました。
バス乗り場にもこんなメッセージがあり、ボクらの心を和ませます。「15分の乗車時間でバス料金400円は高いんじゃないの?」という不満は、とりあえず心の隅に追いやられました。
さらに、競技場に到着してボクらが列に並んでいると、ここでも満面の笑みを浮かべた男性がボクらを歓迎してくれました。なんとこの方、金沢市の副市長さんだそうです。副市長さん自らがアウェイのサポーターを出迎えるなんて、ボクらは今までに経験したことがありません。思わず副市長さんと握手をし、お礼を述べさせていただきました。ホント、素晴らしいです。
マスコットたち(=もちろんフロントですが)のサービス精神も、素晴らしかったです。これはゲンゾーかな?ナンシーかな?白鳥のかぶり物をしたお姉さんたちと一緒に、ゲーム前に競技場前の広場でジャンケン大会をしていました。そして、忘れてはいけないのがこれ。
はい。悪役ヤサガラスです。ツエーゲン金沢とそのサポーター達を絶望に染めるべく、金沢の地に降臨した悪の化身。ゲンゾ-との戦い、いやゲンゾーが変身したゲンザイヤ-との戦いが、ゲーム前やハーフタイムに展開され、まぁバカバカしいんだけどそのサービス精神には、アルビレックスも大いに学ぶべきところがあると思いました。
さて話は変わるのですが、ゲーム終了後にボクは勝利の感激と興奮のために、なんと鼻血が出て止まらなくなってしまいました(いい年をしてみっともない)。しばらくハンカチとティッシュで鼻を押さえ止血をするため、競技場前の広場のベンチで女房と休んでいたのです。30~40分ほど休んだ後で競技場発金沢駅行のシャトルバスに乗ろうとバス乗り場に移動したのですが、その時にはシャトルバスはすでに最終便になっていました。
そこで再び彼女と出会ったのです。5時間前に金沢駅西口のバス乗り場で、ウェルカムボードを持っていた彼女です。「アルビサポの皆さんがバスにちゃんと乗れたか心配で来てみたんですよ」「こんなにアウェイサポが来るのは金沢は未経験なんで、心配で心配で」と彼女。あぁなんて素晴らしい! こんな素晴らしいサポーターがいるツエーゲン金沢は、間違いなく素晴らしいチームです。
「あぁまた来たいな、アウェイ金沢に」と思いつつ、「いやいや来シーズンはJ1に戻らねば」と考え直し、さらに「そうだ、金沢と新潟で一緒にJ1に行こうぜ!」と結論づけた八百政でありました。