おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

今年の発表会、全て終了!

2021年05月09日 | レッスン
3月から始まった発表会が本日全て終了しました。

3、4、5月と1回ずつありましたので、私にとっても仕上げのペースが稼働先で異なり、落ち着かない期間でした。

さて、全体を振り返ってわかったことがあります。

ロシアンメソッドと呼ばれる導入法に変えて丸3年。
最初は音が鳴らせるようになってくれれば良いと、それだけの気持ちでメソッドを変えました。

1年目、想像より早く子供たちの音が変化し驚きました。
2年目、細やかな発音が少しずつできるようになっていました。

そして、3年目。

一人一人、音が違う。
その子の音。

その子の持っている音が聞こえてくるようになりました。

これまでどの子も同じような音だったものが、音に違いが出てきました。

そして、今回最も驚いたことは、複数曲弾いた生徒さん、少し長めの曲を1曲弾いた生徒さんが、音色を使い分けていたことです。

本人にそのつもりはなかったと思うのですが、曲によって違う音色になっている生徒さんが現れ始めていました。

一人、本当に驚いた演奏がありました。

小学6年生の生徒さんに、バッハのハ短調のプレリュードBWV999を弾いてもらったのですが、これは当初弾いてもらおうと考えていなかった曲です。

グレンダ・オースティンのジャズ組曲から1曲弾くことは決まっていたのですが、もう1曲となった時に候補に挙げた曲が全て好みではなかったようで、たまたま目に入ったこの曲を聴いてもらいました。

そうしたらこれが良いというので、そうしました。

音そのものを変化させていく力量がないと弾けない曲です。
深い精神性が必要で、それが理解できないと表現できない曲でもあります。
メロディーらしきものがなく、和音を分散させたパターンが終始続きます。

速めのテンポにしてしまって勢いで弾くことは可能です。
しかし、その生徒さんは玄人好みのテンポで演奏しました。

そして、ホールでの演奏。

前週がGWで教室が休みだったので、約2週間ぶりに会いました。
どうなっているか心配していましたが、音色を変える感覚の素晴らしさ、深みのある音楽に驚きました。一人でそれをしていることの驚き。

こんなことができるなんて・・

他の生徒さんも、何人かは曲ごとに音色が変わり、そのようなことになっているとは思っていませんでした。
もちろんどの曲も同じ音でしか弾かない生徒さんもいます。

これまでピアノを教えてきて、曲によって音色がガラリと変わる演奏を自分の生徒から聞いたことはたぶんなかったと思います。

そして、ホールで演奏してもらうと私も離れた所で聞けるので、全体像が良く見えます。


良い驚きがありましたが、もうひとつ、これからはこれだなと思ったこと。

皆、メカニカルなテクニックが不足している。

ほとんど力を入れてこなかった部分なので、当たり前なのですが・・

そろそろ子供たちも精神的に強くなってきているので、ついてきてくれることを願ってます。

1年に1歩進むペースですが、ピアノを通しての子供たちの成長をやっと見守れるようになってきたと感じています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Grand Piano Competition 2021 グランプリ

2021年05月09日 | コンサート情報
ロシアで開催されたグランド·ピアノ·コンペティション。

このコンクールは16歳以下の子供たちのものです。

順位をつけず、出場者全員が第1ラウンドでソロリサイタル、その次はすぐにファイナルでオーケストラとピアノコンチェルトが演奏できます。

参加者はまずは予備予選で、指定されている3つのカテゴリーで10~20分のプログラムを組み演奏します。

そこを通過すると第1ラウンドです。これが本選。

1.バロック~古典派の作品
2.ロマン派から21世紀の作品、自作の曲も可
3.19~21世紀のロシア人作曲家の作品
この3つを全て入れて20~30分のプログラムを組みます。

ファイナルはピアノコンチェルト。時間制限がマックスで20分。
時間を越える多楽章作品の場合は、第1楽章のみか、第2、3楽章と組み合わせは決められています。

順位はつけませんが、得点が高かった人たち5人にディプロマが与えられ、その中からグランプリが選ばれます。

前回は当時10歳のドヴガンちゃん。
マルチェンコ先生の動画でプレスクールの頃から知っていたお子さんでした。現在13歳ですが、魅力が更に増していて目が離せません。

さて、今回はグランプリは2人。

初めて知り、その音の美しさに惹かれたピョートル·アクーロフ14歳(Pyotr Akulov)。そして、前回も出場したセルゲイ·ダヴィチェンコ16歳(Sergei Davydchenko)。

セルゲイ君は前回聴いて気に入っていたので、また会えて嬉しかった上にグランプリ !
ピョートル君と共にステージ上で嬉しそうに顔をほころばせているその姿を見て、「おばさんも嬉しいよ」の気持ちになりました。

前回出場時に書いた当ブログの記事です。3年前のセルゲイ君をどうぞ。
Grand piano competition 2018 続き - 音の国 / OTO-NO-KUNI

セルゲイ君はいかにもロシア人という粘り気のある演奏。13歳の頃から腰の座りがどっしりとしていて、重心が安定しているので、腕が自由に使え、風格があります。ヴィルトゥオーゾの道を歩んで行きそうです。

ピョートル君は広いレパートリーで、世界で活躍するピアニストになる可能性を感じます。低音のクリアさはラザール・ベルマンを思い出させました。軽やかで華麗なので、年齢を増してどう成長していくか見守りたいです。

2人とも体格が良さそうなので、お腹がピアノにつっかえて弾きにくいなんてことになりませんように。

ステージ上の2人の笑顔。0'40"辺りから

これから2人の演奏にお目にかかることが増えると思うので、楽しみにしています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする