こちらの声楽家の方のお話、参考になります。
声を育てるには、最初に整地が必要。
これをしておかないと、あとから色々と問題が発生するようで、
声楽では半年から1年位かけて「あ」の母音でこれをするのが一番良いと。
整地をせず、すぐに種を蒔くことから始めてしまうことが多い。
歌を習いに来る人に、最初の1年位は母音だけでやりましょうと言っても、
なかなか受け入れられない人も多い。
9分過ぎにも、フムフム、ピアノでも同じ現象が起きているな、と拝見しました。
私の仕事は、整地屋かと思うような日々。
これが出来ていないと、根本的な解決はできないので、それを続けています。
悩みは、70代の大人の生徒さんたち。
ショパンやリストの大きな曲になると、整地が出来ていないとどうにもならない・・
どうやったら弾けるのかレッスンで毎回伝えているつもりですが、伝わらない・・
理屈ではそう、と言われたりして、
いや、理屈じゃないんだけど、と思ってもそれ以上はもう言えません。
ご本人たちが、何かおかしい、どうしたら良いのか、
と気付いていらしても、根本の原因を取り違えていらっしゃることを理解して頂くことは、
もう無理だろうと思い始めています。
昔の日本の奏法は、趣味で難しい曲を弾くには無理だと思います。
毎日10時間くらい練習をして、腱鞘炎になるようなことまでしないと無理です。
そして、そんなに頑張ったとしても、それは全く正しい奏法ではない、ということ。
もうこれ以上はどうやってもできない、とわかっていて
その姿を見るのは辛いものです。
対処療法も出し尽くしました。
やり直すなら、整地するところから始めないと。
趣味でも、老後の楽しみとしてピアノを弾き続けられるように、
生徒さんにはそうなってほしい、と思います。