先月途中からレッスンを始めた小学1年生の生徒さん。(今月から2年生)
ご家庭のご協力を得ることが難しいので「不思議な音の国」を使うか迷った生徒さんです。
先週、「不思議な音の国 上巻」を渡し、教本を使ったレッスンを始めました。
体験レッスンは10分しか受けられなかったので、最初のレッスンはその時の復習とその時にできなかったことをやりました。
体験レッスンの時に自分で1の指を使っていました。
私は3の指からレッスンを始めます。全く初めてピアノを弾く人が1の指を使うことは珍しいです。
友だちにでも教えてもらったのかな?と思いましたが、そのことには触れませんでした。
既に指が突っ張りあちこち向いていたので、それもあってこれを直すことは一人で練習をしなければいけない小さな生徒さんには難しいと考え、不思議の教本は使わないつもりでおりました。
使うつもりだった他の教本を久し振りに見ましたら、記憶にあるものと違い進みが速かったので、曲だけ進んでも弾けなくなるばかりだと思い、不思議の教本を使うことにしました。
いよいよ不思議の教本でレッスンを始めた先週、体験レッスンから行っている”どうしたらきれいな音で弾けるか”を本を開いてやりました。
それまでは私の言葉と動きでそれを伝えるだけでしたが、今度は教本にそのための様々な絵があります。
「虹」「蝶々」「消しゴム鉛筆」「しだれやなぎ」「モンスター」「ジャム」
モンスターのページで、「こんな手になっちゃうとピアノがキャーって叫ぶ音になっちゃうからね」などど話しておりましたら、
「前のピアノの先生にそんなこと習わなかった。ピアノの弾き方、教えてもらってない」と言いました。
「え?ピアノ習ってたの?」
「うん」
その情報は聞いておりませんでした。
保護者の方は全くレッスンには来られないので、まだお会いしたことがありません。
ピアノ経験の有無はどちらでも良いのですが、その生徒さんが「ピアノの弾き方を教えてもらっていない」と言ったことに驚きました。
このメソッドにした頃、ピアノ経験者の保護者の方に「そんなことやっていない」と白い眼で見られた経験が幾度もあり、この教え方は・・という理由で断られたことも何度もあるので、小学1年生の子どもが言ったこの言葉に驚いたのです。
弾き方で音が変わる、その方法がきちんと存在し、教本にもある。
そのことに気付いたお子さんが現れるとは想像しておりませんでした。
新しい音符を覚えるとか、新しいアーティキュレーションの記号を覚えると言ったことは多くの教本に丁寧に書かれています。
しかし、ピアノを弾く時の腕や手首の使い方まで子ども用に書かれている教本はほんの僅かです。「不思議な音の国」は本に書かれていることを指導者がこういうことだよ、と示しながら習得して行きます。
他の教本は音の出し方をいつ教えるかは指導者次第。
大抵後回しにした結果、取り返しがつかなくなります。
必要なことは最初からやるべきです。
個人差はありますが、5年位経つと確実に違いが現れます。