ピアノ導入期にお使いいただけるオリジナルの連弾曲集からご紹介する1曲。
本日は最後に掲載されている<おとぎのくに>です。
年長の生徒さんが作った4小節のメロディーからできています。
この曲は「不思議な音の国 下巻」のアウフタクトのページで作ったものです。
リズムは指定されています。
下巻ではレガートを習います。さらに、スタッカート、アクセント、テヌートといったアーティキュレーションも習い、その奏法を学びます。
単に、切る、繋げるではなく、手をどのように使い音を作り出すかを学ぶのが「不思議な音の国」の特長です。
先生任せではなく、教本がそれらを学べる構成になっていることが私にとってはたいへん助かる点です。それに合わせて曲が掲載されているので、進めやすく作られています。
<おとぎのくに>は、この曲集唯一のレガートが含まれた曲です。
後半はメロディーは先生のパートに移ります。生徒さんはオブリガートのような役割をします。
伴奏でもなく、主旋律でもない役目です。
メロディーに彩を添える役目で、大切な音です。また、ここではリズムが8分音符に細分化されますので、テンポ感、拍子感もよく把握できている必要があります。
後半で遅くなる生徒さんが多いので、同じテンポで演奏してほしいです。もしくは、後半は少し遅くしようと決めてテンポを変えるかです。
成り行きで遅くなりましたは避けて頂ければと思います。
こちらは、小5でピアノを習い直した生徒さんの演奏です。
大昔、ホントに何十年も前の話ですが、自宅の生徒が少ない先生方で合同で発表会を企画して下さる楽器屋さんがありました。
学生の頃で、出張レッスンで自転車をこぎ何軒か回っていた頃でしたので、その機会を一度使わせて頂いたことがあります。
その時に、藝大に通うまだ1年生でしたか2年生の学生さんとご一緒しました。作曲科か楽理科と仰っていたような気がします。ピアノ科でなないのかと珍しい気がしました。
その学生さんが、まだお若いのに子どものための曲集を年配の先生と共同で手作りされ、当時は現在のように楽譜作成アプリもパソコンもない時代でしたので、手書きで楽譜を作られ、それを「よかったら使って下さい」、とくださいました。
とても丁寧に書かれ、見やすい楽譜でした。機会があればと長い事大切にしまっておりました。
結局、使う機会がないまま幾度かの引っ越しでしまった場所がわからなくなってしまい、今となっては中身を確かめられないのですが、お名前だけはよく覚えています。
そのお名前に再度出合ったのが、「トリック TRICK」のドラマでの音楽担当者の字幕。
お名前が芸名のように綺麗でしたのでよく覚えていたのです。
放送はよく見ていたのですが音楽担当のお名前は全くチェックしておりませんでした。
不思議な音楽を書く人だなと思い、ある時「だれだろ?」と見ましたら、知っているお名前。
「えっ?」
同一人物という保証はありませんが、珍しいお名前で同じ漢字、しかも曲を作る人という点で一致しているので、そうかな?と思っているだけですが。
あの曲集で、どんな音楽を作っていたのだろうと興味津々なのですが、今となっては確かめられず・・
どこへ行った、あの楽譜!
子ども用の曲集を作ることは自分の周りでこのようなことをした方がいらしたことで、私にとっては全く遠いことではありませんでした。
作曲は専門に習ったことはありませんが、それなりに好きなことではあるようだと、この曲集を作りながら思いました。
音の読みや、ノンレガートの補助的な曲集として、ご利用いただけますと嬉しいです。
連弾曲集「おとのくにへ」 | ピアノ導入|ノンレガート