ピアノの奏法のひとつとして、これを知っておくと楽に弾けるものがあります。
回転です。
楽に弾けるだけではなく、響きを多く含んだ広がりのある音が出て華やかになります。
回転の方向は色々とありますが、ここでは5の指に向かい上向きに回します。
右手は時計回り、左手は反時計回り。
遊びで弾けるこの曲が分かりやすく、楽しいです。
上はアメリカの教本、下はドイツの教本です。
ドイツの教本で最初にあるものがアメリカは2番目に登場します。
アメリカは変奏曲、ドイツはロンドです。
ドイツの楽譜の最初にあるものがコロンです。手をグーにして回します。
ドイツはこれがAで一つ置きに常に登場します。
回転のコツがつかめない大人の生徒さんもこれをすると分かります。
大人のかたほど、ピアノは指だけで弾くと勘違いされている傾向があるので、軸を作り、回す動きができないことがよくあります。
バスケットボールのピポット(ボールを持って歩けないスポーツなので、片足に重心を載せ、クルリと回転し方向を変えます)と同じです。
回転せず両足を床に付けたまま上半身だけ向きを変えても正確にパスできませんし、デフェンスの相手にすぐボールを取られ、かわすことが出来ません。
両足を床に付けたままは、ピアノでは鍵盤に指を置いたまま弾くと同じです。負担が増すだけで良いことはなく、まずは聞こえてくる音質に差が出ます。
今話しているのは、単音でメロディーや伴奏を弾く時の話です。
ドからソまで指を置いたままにして弾くよう指導されてきた生徒さんを引き継ぎで何人も見てきました。
大人の手でも負担が大きいことを子どもに強いることはすべきではありませんし、しかもそれは間違った奏法です。
スポーツの動きを考えるとピアノでも理解できることがいくつもあると思います。
ピアノを弾く運動神経を育てることは正しい動かし方を知ることからです。
それには、昔ながらの根性を叩き込む講師ではなく、現代の奏法や新しくできた指導法を自ら学び続けている講師を探すことです。
趣味のかたの方が、一般のピアノ講師より現代の奏法を知っている場合があります。
日本の音大で通用したものが正しいとは限らないので、若い先生方には進化を怠らずにいてほしいと思います。
上記の曲はアメリカの本には歌詞が載っています。
I love cof-fee, I love tee
I love cof-fee, I love tee
Don’t you see, Don't you see
I love cof-fee, I love tee
このままでも子どもたちは歌えそうです。