初めてトリフォノフを生で聴いてきました。
宇宙の音という感じでした。
宇宙に行ったことはないですが・・
プログラムはこちら
ベルク
ピアノ・ソナタ op.1(1907-08年作曲)
プロコフィエフ
風刺(サルカズム)op.17(1914年作曲)
バルトーク
戸外にて(1926年作曲)
コープランド
ピアノ変奏曲(1930年作曲)
メシアン
「幼子イエスの注ぐ20の眼差し」から 幼子イエスの接吻(1944年作曲)
~休憩~
リゲティ
「ムジカ・リチェルカータ」から 第1、2、3、4番(1951-53年作曲)
シュトックハウゼン
ピアノ曲Ⅸ(1955年作曲)
J.アダムズ
中国の門(1977年作曲)
コリリャーノ
ファンタジア・オン・オスティナート(1985年作曲)
前半後半とも一度も椅子から立ち上がることなく、続けて演奏されました。
前半70分、後半45分位。
たいへんな集中力で宇宙と交信しているような音でした。
あの至る所にあった長く続く弱音の神秘性はちょっと聴いたことのない音で、ピアノという楽器はこんなに表現の可能性を持っていたのかと初めて知ったと言っても良いほどでした。
今回は現代曲のプログラムでしたので、次回は普通のプログラムで是非聴いてみたいと思いました。
どんな音楽を表現してくれるか興味を持ちました。
前日もサントリーホールでリサイタルがあったようで、そちらはまるっきり別のプログラム。
ラモー、モーツァルト、メンデルスゾーン、最後はベートーヴェンのハンマークラヴィーア。
2日連続でこれらの曲を弾く力量。
才能があっても、技術があっても、そうそう出来ることではないと素人的に思います。
あの完成度、コントロール力。異次元です。
2音弾くだけでも2声になり、他の音が積み重なりさらに声部が増え、全く崩れることなく構築され、この緻密さはロシア人の音楽だなと驚くばかり。
音が澄んでいるので、声部が減った時にそれが引き立ち、新鮮な空気を吹き込んでくれるようで続けて聴いても疲れません。
音楽への探求をずっと続けていくのだろうと思わせる演奏でした。
今、何歳だったかな?と調べましたら33歳。しかも先月33歳になったばかり・・
驚きました。彼はどこまで行くのでしょう。