アマゾンわんわん日記 2018

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選挙公約

2012年09月29日 | ブラジル雑記
昨日車の中でラジオを聴いていたら、市長選の候補者のインタビューをやっていました。
毎日日替わりですべての候補者にインタビューをしていくんですよね。

この候補者のアピールの一つが

「すべての市立学校の生徒一人ひとりに、ノートブック型PCを配布します。このことによって、学校と家庭がさらに緊密に連絡を取り合えるようになり、またPCを授業に活用することによって、生徒に配布する教科書のためにかかるお金も減少します。」

インタビュアーが突っ込みます。
         「生徒一人ひとりに持たせるということになると、安全面での問題が出てきませんか?」
候補者、    「安全面というと、どういった問題ですか?」
インタビュアー、「登下校の途中で強盗に襲われることなども考えられるのでは?」
候補者、    「私立学校の生徒達を御覧なさい、みんな高価な携帯電話やPCを持ち歩いています 
         よ。」
インタビュアー、「しかし、私立学校の場合、ほとんどの生徒は車で通学しています。」
候補者、    「そんなことはない!あなた、市内でも有名なあの進学校の近くを見て御覧なさい。
         登下校の時間帯には、多くの生徒達が徒歩で、高価そうな携帯電話やipodを使い
         ながら歩いていますよ。」

市立学校へ入学するには、市の教育委員会に入学の申し込みをします。(学年末になると、あちらこちらの地区に窓口が設けられます。)
それで基本的には、家に一番近い学校が割り振られます。
(実情は、生徒の数の状況によって、必ずしもそうとばかりはいえないそうですが。)
そのため、生徒はほとんどが登下校は徒歩です。
しかも、近いとはいっても、1km、2km歩いていくこともあり、子供達だけで登下校をするケースもあります。
ある程度の年齢になると、子供達だけで、また、大きい子供が小さい子供の面倒を見ながら登下校するのが普通の状況です。
しかも、場所によっては、まだ朝、暗いうちに家を出なくては間に合わないとか、夕方暗くなってからしか家に帰れない子供達もいます。

ブラジルでは、市立学校は無料です。
教科書なども貸与されます。
ただ、基本的に教育のレベルがあまり高いとされません。
そのため、経済的にゆとりのある家庭は、私立の学校に入れます。
また、学力的に市立学校では物足りない生徒は、州立校、国立校などに試験を受けて入るケースもあります。(州立校は低学年の場合、抽選というところもあります。)

先ほどの候補者の話、「私立学校の生徒が、登下校の際に高価そうな電子機器を使っている」という話、使っている場所を考えてください。
そういう学校は、場所的に比較的安全な場所にあり、子供の登下校の際には特に警察がパトロールをしたり、学校の警備員が見回っていたりするんですよね。
で、徒歩で私立に通っている生徒は、本当に学校の近くに住んでいる生徒が多いと。
それに比べて、市立学校に通う生徒が住んでいるところ、私立学校の生徒が住んでいるようなところとは、まったく違ったところです。
マナウスには、リオやサンパウロのようにはっきりと「ファベーラ」と定義されるような場所はありませんが、意味としてそれに近いよう場所に住んでいる生徒がおおいし、また、学校自体がそういう場所にある場合も多くあります。

私立学校の生徒が登下校する環境と、市立学校の生徒が登下校する環境、これは大きく異なるのです。

私立学校の生徒でも、セントロの学校にバスで通っている生徒などは、もちろんバスの中で携帯を出したりしませんし、中には身に着ける靴やリュックサックまで「なるべく目立たないもの」と気をつける生徒も多くいます。
子供でも、それぐらい気をつけているんです。

インタビュアーの心配は、本当にもっともなものだと思います。
まっとうな大人の心配です。
そのほかに私個人としては、「PC,配るのはいいけど、メンテナンスは?」とか「それを活用するための、学校側の設備は?」とかいろんな疑問が山ほど!
大体、雨季になると「雨漏りして授業にならない」なんていう学校が、あちらこちらにあるのに、そんなことにお金をかけている場合じゃあないでしょう?!っていう感じです。

残念ながら、この候補者、まったく市民目線で生活を見ていないんだなーと思いました。
っていうか、普通の生活感覚が無い?!
おかしいよね、こういう大人。
でもね、こういう派手なこといっているやつが、結構得票数伸ばしたりするのよね。

選挙まであと一週間。
さてどうなりますか!
コメント
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