名前があるということ

職場近くに黒い犬が一匹死んでいました。

グラウンド犬のうちの一匹かも。

みんながそう思っていました。

ところが、グラウンドに回ってみると．．．

あら、いるじゃない、黒犬トリオ！

ピョンピョン飛んで　ご飯を待っている。

その時、ほっとしたのと一緒に、思わず「この子たちでなくてよかった」って思ってしまいました。

グラウンド犬のうちの一匹じゃなくても、死んでしまった子も同じ犬なのにね。

おんなじ命がなくなっちゃったのに、思わず「よかった」って思ってしまったことが恥ずかしくて、死んでしまった子に本当に申し訳なく思いました。

その後、この子を埋めてくれた人の話によると、どうやら最近この辺りで見かけられていた黒犬だったようです。

捨てられたのか、逃げ出してきたのか、道路を歩く姿が　慣れていなく、危なっかしい様子だったのを　みんな心配していました。

グラウンド犬のうちの一匹「耳デカ　オレリョーナ」ちゃんに瓜二つ、でも男の子。

みんな「グラウンド犬の仲間になってくれればいいのにね」って言っていたのに。

見かけるようになってから、10日間ぐらいで旅立ってしまった子。

この子を呼ぶ名前もなく、旅立ってしまった子です。

名前を付けてあげていたら、もう少し長く地上にいることができたのかな。

今度また地上に帰ってくるときには、素敵な名前をつけてもらえますように。

みんな　あなたの周りにいた人たちは　そう思っているんだよ。