Odysseusの語りは続きます。
母は以下のように話しました。
「あなたの妻は耐えており,息子の地位は安定しています,しかし,父上は1人で暮らし,町へ出る事もなく,シーツを洗濯してくれる人もなく,自分で質素なベッドを作って横たわり,息子の帰りを待ちわびていました。私はその為にここに来る事になりました。あなたの為に私は生きていく事ができなかったのです。
私は母を抱きしめようとしましたが,母の霊はすり抜けてしまいます。死んだ人の体は火に焼かれ,骨と肉を失ってしまうので,仕方のない事なのです。母の霊はPersephone(ペルセポネ)によって遠ざけられ,私は続いていろいろな女性の霊に会いました。
最初に会ったのはTyroです。彼女はCretheusという王の妃でしたが,川の神Enipeusに恋をします。しかしEnipeusに変装したPoseidonによって,PeliasとNeleus,2人の息子をもうけます。彼らはZeusの強力なしもべとなり,PeliasはIolcusの王,NeleusはPylosの王になりました。彼女は他にCretheusとの間に3人の息子をもうけました。
次に会ったのは,Antiopeです。彼女の息子たちは7つの門を持つ城壁に囲まれたThebes(テーベ)を建設しました。
7つの門と城壁! どっかで聞いた事が(笑)。トールキンの築いた,かの国ですね。実はそのゴンドールという国,あまり知られてないと思いますが,エジプトの影響を色濃く受けているんですね。(Thebesもエジプトの地名ですね。) 映画では全くおくびにも出てきませんが,元々あのいわくつきの王冠のデザインなども,トールキンのお手紙によると,なんとエジプト式だったんですよ。‥‥ギリシャ神話の,このエピソードから来たのでしょうか?
衝撃の証拠写真!!(笑)
次に会ったのは,Epicaste(Jocasta)です。彼女の息子Oedipusは知らずに父Laiusを殺し,何とEpicasteを妻にしてしまいます。神々はこの事実を彼らに知らせてしまいます。OedipusはThebesの王であり続けるという拷問を味わい,Epicasteは首を吊って自殺します。
おっと,似たようなエピソードがやはりトールキンの本(Silmarillion/Unfinished Tales)に‥。トールキンの場合は,兄妹なんですが。
という事で,寄り道が多くてちっとも進みませんでした。(汗)