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DoaU330日目_Part3_ねぎま鍋

2010-01-24 23:44:20 | レシピ
え~、そもそも日本人ってぇ人種は脂身を嫌ったものでありまして、
江戸時代末期になっても、肉食の習慣がなかったそうで。
鶏肉、鶏卵だって食べることはなかったってぇことであります。
魚だって、もちろん同じだったそうでして、
脂なんてカラダによくないものは摂らなかったそうです。
三遊亭金馬師匠の十八番「目黒のさんま」は後にできた噺でありましてな、
当時の世相からは考えられない、まあ落語の世界での噺・・・
いやあ、そんなことを言っちゃあいけねえな。

マグロだって同じでありまして、
トロなんてものは猫跨ぎなんて言われましてな、
猫にだって見向きもされないような食べ物だったそうで。

目黒から1里と12町って言うから、今で言えば5.2km、
玉川村に、40半ばの貧しいことこの上ない夫婦がいたそうでして。
ある日、この夫婦が買い物に出掛けたんですな。
魚屋でマグロを見つけたけれど、赤身なんて食べられない。
脂でぎとぎとした腹身しか買えない。

亭主の方が煮炊きをするなんて変わった夫婦だったらしく、
鍋に水を入れて出汁昆布を入れて火にかけた。



5合半って言うから、今で言う1,000ccかい?
沸騰しないように煮はじめた。
みりん大さじ3と醤油大さじ3を加えたんだけれど、
どうにもぱっとしねえ。
塩をひとつまみ入れてみても、
どうにもしまらねえ。
ってんで、嫁さんを呼んで味見させるけど、
2人で迷子になっちまう、もちろん味覚のですな。

ホットプレートなんてものがあったとは思えない、
でも、この夫婦は持ってたんですな。
そこへ、だし汁を移し替えてスイッチを入れるんだけれど、
煮立たせちゃいけねえってんで、保温にするわけだ。

マグロを買ったついでにネギも買ったんですな。
上州ねぎってえのは、下仁田ねぎと普通の青ねぎを掛け合わせた、
間の子、いや、いけねえいけねえ、間の子なんて言っちゃあいけねえ。
まあ、下仁田ねぎみたいに、ぶっとい。
直径5cmはあろうかというねぎ。
それを1本切って、ホットプレートに入れたわけだ。



亭主は脂ぎったマグロを切りはじめた。
厚めに、一口大よりも大きめに。



椎茸なんてものもあったので、2枚を出してきた。
けっこう贅沢じゃねえか、貧乏夫婦のくせに。
ああ、失礼、そんなこと言っちゃあいけねえな。

ホットプレートに放り込むんですな、脂ぎったマグロを。



しっかり火を入れて、脂を落とそうって魂胆だ。
出汁ごと器にもって、なんだい?あの緑色のものは。
ああ、柚子胡椒、うへっ!辛いじゃねえか。
いや、酒のあてにはいいかもしれねえな。
ああ、これでさらに脂っぽさをなくそうってことかい?

どれ、ご相伴に預かりますか?
おや、これはうまいねぇ、出汁がいいよ、
マグロもうまいじゃないか、もう跨がないよ、脂身も。
ところで、貧乏夫婦、このマグロ、いずこで求めたマグロだ?
なに台湾?
マグロは台湾に限る。


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