こんちくしょう。
期せずして凄惨な現場を目撃してしまった。
今夜は眠れそうにない。
路上にある機械は単なる輸送手段などでは、断じて、ない。
有り余る殺傷能力を有する凶器なのだ。
被害者はもとより、加害者も破滅を経験するのだろう。
いづれも父であるのか、母であるのか、子であるのか。
数分前までは、いづれもフツーのヒトだったはずだ。
夕食の心配をしていたかもしれない。
かたや肉塊でさえなく、かたや生きながらにして死に勝る苦しみを負うのだ。
そんなの、わかってる、わかってる。
そう、わかっている。
解っていて、忘れている。
連続する数秒の時間、数ミリの操作の中にはその「わかっていること」は存在しないのが日常だ。
祈るような願い、だ。