またまた、頂いたテーマですが。
会社の新人研修で、「アマチュアとプロの違い」をだいぶ、スリ込まれた。
イロイロ、見解はあると思うのだが、この研修で叩き込まれたのは、「対価を受け取るのが、プロで、対価を受け取る以上は対価に見合う製品/技能/サービス/情報を提供しなければならない」ということだった。
今現在、実にイイ定義で、すばらしいオハナシだと思う。
ただし、現実が伴っていれば、だ。コレが実践できていたら、そりゃ、イイ会社だよ。うんうん。
実際の現場は、概ねこのコトバの通りにモノが作られようとしている。
そして、全く残念なのは、経営者の立場を任されている人間にこの観点が欠けていることが多いことだ。
一例。
納期の決まっている大量の受注案件がある。物理的に消化するのがぎりぎりであっても、経営者は受注するだろう。
全ての歯車がきちんと噛合すれば、その納期は守られるが、ぎりぎり時間的なクリアランスがない時、たったひとつの誤差で納期は危うくなってくる。危うくなってきた時に、経営者は軒並み「マンパワー頼り」の指示をしがちだ。
会社員である以上、経営者の指示によって、納期を優先させる。品質は低下する。本来、許容範囲の誤差を超える製品が納期内に納入される。発注者の期待するクオリティを充たしていなければ、当然、クレームとなる。
クレームを発生させるリスクを負ってでも、経営上の理由で受注しなければならないことは、そりゃ、ありうると思う。
会社員は、そんな経営者の都合は理解したくはないけれど、宥恕しつつ、しぶしぶ困難な業務に取り組むのだ。
そう、それが、プロの会社員なのだ。
駄菓子菓子。こんなんで、いいのか??? 良くないに決まってるじゃん!
「対価を受け取るのが、プロで、対価を受け取る以上は対価に見合う製品/技能/サービス/情報を提供しなければならない」
この定義のうち、「対価に見合う」の見合うレベルを落としたら何にもならない。自分で納得できないもの、対価を受け取って提供するヤツのどこが「プロ」なのよ!それは、程度の差や、善悪の作為はあるが、詐欺のプロがやることだ。
そう、個々人は善意でも、企業と言う集団で詐欺的経済活動にいそしんでいるケースは珍しくないと思うのだ。
職人は、「プロ会社員」とは違う。
自分の納得いくレベルを下げないのが、プロの職人だ。
納期やら、経営やら、関係ない。自分が不出来と思うものは認めない。顧客に対して誇りの持てない製品は、出さない。
ココに期待して、顧客は時間とコストを負担するのだ。
この、職人の善意を、信用したい、っつーか、そういう世の中であって欲しい。
そんな期待に、全くお応えできない、アマチュアが職人類の中に紛れ込んでいることが、悔しくてならない。
よっ!プロ会社員!
ホメコトバとして受け取っておくよ。んでも、「はぐれプロ」だよ、オレ。