
今日は久しぶりの日勤で、夕方6時には家に戻っていた。
昨日、日本郵便軽井沢支店に電話して今夜の再配達を依頼していた。
7時過ぎ、テレビを観ていたら何か玄関のほうで音がした。
ゆうパックが来たかな、と思ったが、次がない。
何の音もしない。
しばらくしてドアを控えめにたたく音がした。
なんか、もそもそ話す声が聞こえた。
印鑑を持って玄関に走りドアを開けると、
気の弱そうな小太りの青年がいた。
「聞こえないよ。もっと大きな声で言わなければ分からないだろ」
私は、けっこう強い言葉で言ってしまった。
せっかく父の日に間に合うように息子夫婦が送ってくれたのに…。
「昨日もおれ、家にいたんだよ」
「……すみません」
荷物を私に手渡してそう日本郵便のドライバーが言う。
25・6歳の人の良さそうな子だった。
あ…、この子はこの仕事合わないな、と感じた。
人と接するより、物を相手にする手作業が合うのではないか。
でも今そんなことを言っても始まらない。
「ありがとう。仕事がんばれよ」
伝票にハンコを押しながら、そんなことを私は青年に言っていた。
山形の「純米 香梅 最上川源流水仕込み」という酒だった。
うまい。
“一日遅れの父の日”もまんざらでもない。
ゆうパックのドライバーがいい子だったこともある。
これからあの子はどう成長していくのだろう?
私だってあの歳ぐらいのときは、ああだったかも知れない。
うちの息子たちは、ちゃんと仕事してるのかな?