山田 航

2013年06月01日 | 健康・病気

  うろこ雲いろづくまでを見届けて私服の君を改札で待つ

  放課後の窓の茜の中にゐてとろいめらいとまどろむきみは

  さみしいときみは言はない誰のことも揺れるあざみとしか見てゐない

  鉄道で自殺するにも改札を通る切符の代金は要る

  たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく

  放たれし鳥たちよわが手を離れ一点のあるがごとき静夜へ

  送電線の向うの雲がちぎれたら適度な距離ではじめよう、また

 カフェオレじやなくてコーヒー牛乳といふんだきみのそのやり方は

 たばこ吸うまねしてぷうつと息を吐く望郷なんてぼくたちにはない

 祈りではないんだらうな目を閉ぢて午後のベンチに凭れることも

 でもぼくはきみが好きだよ焼け焦げたミルク鍋の底撫でてゐるけど

 水飲み場の蛇口をすべて上向きにしたまま空が濡れるのを待つ

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5月31日(金)、NHKラジオ第1「すっぴん!」を聴いていたら、
すっぴんインタビューに、山田航(わたる)という歌人が出た。
上の短歌の作者です。
短歌を聴いていて、寺山修司を感じた。
すごいひとが現れたな、と思った。
私の息子より3歳も若い。
このひとの短歌をもっと読みたい。

コメント
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